「働きing」というタイトルでやらせていただいていたこのコーナー、早くも 回を迎えたので改名いたします。「Vol.50まで待てば?」とも言われましたが、中途半端なナンバー(今月号で45回)も私らしいと思うので(笑)今号から「Meets」というタイトルでこれまで以上にユニークな方達にお会いして話を聞いていこうと思います。
…ということで、改題一番!「こんな経歴の人がバンクーバーにいるんだなぁ」という江崎とし子さんにお話をお伺いしました。

—江崎さんはポケモンのエンディングソングを歌っているんですね。
はい、ポケモンは作詞作曲で3作関わらせてもらっています。
「そこに空があるから」という曲と「スマイル」という曲、そして3作目は震災の次の年に出た曲なのですが、 「合唱曲のような」というコンセプトだったので私も含め、歴代のポケモンシンガー3人で歌っています。
—作詞作曲をして、ご自身でも歌っているのはかっこいいですね。
その他にもアジアで大人気の中孝介さん(歌手)に曲を提供している作家さんがなぜバンクーバーに?
12年来のパートナーがトロント出身のカナダ人なんです。彼とは日本で知り合ったのですが、1月に籍を入れて2人でバンクーバーに来ました。2人とも新境地で新しいことに挑戦するのにワクワクしているところです。
—余談ですが(笑)旦那様とはどこで知り合ったんですか?
友人・知人達で集まったパーティで知り合いました。
ーパーティ?
クリスマスパーティにいた中の一人です。
ーポケモンは関係ありますか?
全く関係ないです(笑)
—バンクーバーに来たばかりですが、音楽活動とかは?
永住権が去年の 10月に下りて、そこから計画をして2月にカナダデビューライブをMain st.にあるCottage Bistroで行いました。4月にバンデューセン植物園のSakura Days Japan Fairでも歌いましたよ。そこではポケモンの曲と中孝介くんに楽曲提供をした「それぞれに」という曲を披露しました。この曲は元々自分の曲なのですが、中孝介くんでアジアでも大ヒットした曲です。
この前、Lost Lagoonに近いSeaWallの公園でストリートライブをやったんですよ〜。4曲ほど歌ったんですが私の曲を知ってくれてた人が立ち止まってくれました。もちろんポケモンの曲なんですけどね。笑
—世界のどこにいても知っている人がいて安泰ですね。
たくさんの人が見聞きしている「ポケモン」というキーワードを持ってるからそういう意味ではラッキーですね。
子供の時にポケモンをオンタイムで見ていた子たちが成人して幼少期に聞いてた曲などをネットなどに上げてそれをまた世界中の人が聴いてくれて…やっと世界的に反応が出てきた感を受けますね。
ーウエブサイトやウィキペディアにも記載されているように、大きな仕事をたくさんなさってるのでバンクーバーに来てキャリア的にもったいなくはないかなと思うのですが?
自分の中では日本での作家業が一段落した感覚もあったのでもったいなくはないです。
私は芸能界でやっていくのよりも作品を作るほうが向いているのかなと。笑
「音楽」を売る形式が変わり、CDという媒体が売れにくい時代にきているので難しい業界だと思います。作詞作曲したり何かをプロデュースするのが好きなので、こっちでは創造したりイベント企画をしていきたいと思っています。
—作曲家・音楽家になる夢はいつから持っていたのでしょうか?
2歳から鍵盤を弾いていました。オルガンをもらって嬉しくてしょうがなかったんですよ。 毎日寝るか食べるかオルガンを弾いているか、というぐらいだったと母から聞いています。(笑)そんなに好きならと3歳からエレクトーンを習わせてもらったんです。エレクトーンの延長上で自分の中で自然に今のキャリアにつながっていきました。中学の時憧れた山下達郎さん(日本の有名な歌手)が作詞作曲もするシンガーソングライターで、『シンガーソングライター』ってなんだかかっこいいなって思ってそこからですね。自分でも歌うようになったのもそこからです。
—どのようにして今の地位を作ることができたかを一言でアドバイスもらえますか?
そうですね、チャンスが来た時に、用意しているものがあったということでしょうか。
アイデアが出たらそれらを行動に移す準備はできていました。そして常に行動に移してきました。
ーこれからの活動など教えてください?
やりたいことがいっぱいありすぎてどうしよう(笑)
実際バンクーバーがどういうとこかよくわからず来てしまったんですが(汗笑)アイデアはいっぱいあるんですよ。
こっちで日本人コミュニティーに受け入れてもらうのに1年かかったんですが、中国の人たちにもアプローチしたいですね。私のCDを聴いた中国の方達が「中孝介」をよく知っていて驚きました。
次に試したいのはグローバルに通用するかにチャレンジ。ボーカライズという歌詞のない音楽もやっているのでアンビエントな作品を作って提供していきたいです。
あと映画のサントラもやっていきたいという夢があります。
発展途上国のアジアのどこかでボランティア活動したいねと主人と話してもいます。主人が英語の教師なので自分もキャリアを活かして音楽を教えたりできたら素敵だなと思っています。
外見は静かな印象なのですが、話してみるとエネルギーがほとばしる江崎さん。何かに成功してもそこに留まるのでなく次々とやりたいことが浮かんで行動に移す江崎さん、素晴らしいなぁと感服しました。
月にはそんな彼女とバンクーバーのアーティスト達(私、Sleepless Kaoも参加)で東京にてグループ展をします。詳しくは江崎さんのウエブサイトにも告知されるので是非彼女の歌声とともにチェックしてください。
Toshiko-Ezaki.com
[文:Sleepless Kao]