While the Women Are Sleeping・女が眠る時
ディレクター:Wayne Wang
日本、2016年、103分
詳細:www.viff.org
- 10月1日(土)午後6時 Vancouver Playhouse
- 10月8日(土)午前10時45分 International Village 9
映画祭の季節がやってきました〜。
「女が眠る時」ストーカーが覗き見たのは愛か狂気か…
西島秀俊、 忽那汐里、ビートたけし主演のこの映画、「たけし」の名前で観に来たカナディアンも多いのでは…。
いや〜しかしこの映画は難解だった。最後に「わかんね〜」って日本語のぼやきが聞こえてきた(笑)。カナディアンにいたってはエンドロールがはじまる前にジャケットを着て出て行く人もいてなかなか手厳しい。いろいろ突っ込みどころはあるにせよ、私はなかなか面白い作品だとけっこう楽しめました。
主演女優の忽那汐里さん、彼女の演技がいい。別作品の「海難1890」での演技もよかったですし、好きな女優さんの1人です。
彼女のあどけない容姿、それでいて色気のある女の顔をみせる演技力は素晴らしいです。
主演の西島秀俊さんが演じるスランプ中の作家清水健二は、倦怠期の妻と高級リゾート地に滞在中、親子ほどの年の差カップルに出会う。2人に興味を抱き執着していく。
ホテルで殺人事件も起きてこれはミステリーものか、、、と観ている人が混乱する見せ方は、監督のウェイン・ワンの作風なのだろうか。私は実はこれは作り手の自己満足のように思えてしまいました。すべてを語らない意向はわかるけれど、一つ一つのシーンがぶつ切りすぎてわかりづらい。編集の仕方もフェイドアウト、ブラックアウトそして次のシーンという展開が何度もあり思わせぶりにイライラしてきた。
つまりはすべての出来事は作家清水の頭の中で繰り広げられていただけという単純な物語を映像により複雑そしてオーディエンスに考えさせるような映像になっている。
ビートたけし演じる初老の男、佐原は父親が子を思うように若い彼女を愛しているだけで、妻は不倫などもしておらず、清水は妻がめでたく妊娠。小説を書き上げ出版するというハッピーエンドのお話と解釈すればわかりやすい。
私も実は今小説を描いてるので、作家がなにを表現したいのかは痛いほどわかります。
「純愛ストーリーで片付けられる単純なものじゃないんだよ。『愛』とはもっと狂気に満ちていて、人を殺そうという気持ちも時には芽生えちゃうんだよ〜。もっと考えて」って言われてるような気がしました。
文・Sleepless Kao
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