第42回カナダ連邦議会選挙に投票された有権者の皆様、お疲れさまでした。今回の投票率は68%あり、2011年の61%よりも高いものでした。しかし、現状に満足するわけにはいきません。まだ32%の有権者、数にして800万人以上が投票をしなかったのです。投票率が上がることによって結果が変わったかもしれないと言いたいのではありません。私は800万人以上のカナダ国民が民主主義に貢献しなかったと言いたいのです。振り返って見ると、690万人が自由党に、560万人が保守党に、そして350万人が新民主党に投票したのです。
選挙についての話をしている人たちは多かったですし、以前よりもずっと多くの若者や原住民、そして日系カナダ人やイスラム教徒など少数民族の人たちが投票に参加したように見受けられます。事実そうであったならばよいと思いますし、この投票率の増加が2017年の州選挙や2018年の地方自治体選挙でも同様に起きてくれたらと思います。
棄権して投票所に行かないということは、投票所に行った他の人たちに誰が政権担当者になるかを決めさせているということなのです。
首相に就任予定のジャスティン・トルドー氏には祝辞を呈したいと思います。あなたは歴史的な勝利を納めました。この勝利は政治的スペクトルの不和で暗い部分を拒否したカナダ国民の希望に基づいて成し遂げられたものです。この事はこれから首相としての仕事について熟慮するにあたりぜひ覚えていていただきたいことです。カナダ国民は恐怖をあおる扇動が広がり、あなたが支持した法案C51号の採択によって権利が攻撃されることに反対して声を上げたのです。あなたはこの法律の成立に協力して法律の成立を助けたのですから、それを無効にする責任があるのです。また、行方不明になったり殺害された原住民の女性達に関する問題への取り組み、環境保護や公共サービスなど、やるべき事はたくさんあります。
日系カナダ人は我が国カナダのために戦い、我々の権利と自由への悪しき攻撃を生き抜きました。私たちは歴史を伝えていくことによって、皆が学び、同じ過ちを繰り返すことのないようにし、すべてのカナダ国民の権利を守り続けていくのです。
「友よ、勇気を持ちなさい。よりよい世界を作るのに遅すぎる事はないのです」トミー・ダグラス
すべてのボランティアの方々に心よりお礼を申し上げます。どの政党を支持しようと、あなた方の参加と協力は私たちの民主主義の過程にとってかけがえのないものなのです。
ボランティアに頼るのは政治の立候補者だけではなく、グレーター・バンクーバー・日系カナダ人協会(GVJCCA)のような非営利団体にとっても同じ事です。
GVJCCAの役員達は、その日1日の仕事を終えた平日やイベントに従事した後の週末や祝日の夜に理事会会議に参加し、会員情報の更新など運営管理の仕事や電話応対などもこなしています。ボランティアの中にはバンクーバー日系カナダ人青年リーダー会や人権委員会のメンバーにもいます。『The Bulletin/げっぽう』の編集者や関係者の方々も私たちのために追加の時間を割き、ボランティア翻訳者の方々は『The Bulletin/げっぽう』の記事作成に協力しています。
数々の行事、特にファンドレイジングのイベントがある時には、さらに多くのボランティアの方々が加わり、イベントを円滑に進め、成功させるために必要な全ての仕事をしてくれています。それは家族の集まりの延長のようなものでもあります。実際に親類関係があるという会話を聞く事もあります。あなた方なしでは本当に成し遂げる事ができません!ありがとうございます!
GVJCCAのボランティアの皆様に感謝をお伝えしたく、11月28日土曜日、午後1時から4時まで、日系センターの105室にて、集会を開きます。軽食やお飲み物もご用意しており、近況について話し合うよい機会ですのでぜひご参加ください。
11月11日は、第一次世界大戦以来カナダのために戦ってきた私たち日系カナダ人の退役軍人のことを思い出すいい機会です。バンクーバー地域にお住まいの方は、午前10時40分よりスタンレーパークの日系カナダ戦争記念塔での集りにぜひご参加ください。今年は二世がカナダ軍の東南アジア諜報部隊に配属された70周年記念でもあります。
第二次世界大戦中、カナダ政府は日系カナダ人を「敵性外国人」と宣言し、監禁しました。日系カナダ人は入隊を志願しましたが、カナダ軍に拒否されました。私がいとこから聞いた話では、叔父のバック(・スズキ)も入隊しようとし拒否されましたが、イギリス軍にはそのような懸念はなく、日系人のスキルを必要としていたそうです。カナダ軍は大戦末期になってからついに態度を軟化し、日系カナダ人が入隊に志願することを許したのです。
セレモニーの後にはスタンレーパークのパビリオンにてレセブションがあり、さらに話を聞いたり写真や関連の資料や記念品などを見たりする機会があります。
また『The Bulletin/げっぽう』に掲載されているイベントにもどうぞご注目ください。毎月有益でクリエイティブで刺激的なイベントが常に開催されています。多すぎてこの欄に書くことができないほどです。
[文:ロレーン及川 訳:浅野佳予子]