
ガスタウンにあるビーガンプリン屋さん、ご夫婦でお店を切り盛りしています。旦那さんは詩人でも活躍している宙丸さんですが、今回は奥様のひろみさんにお話をお伺いしました。
—いつどのような経緯でバンクーバーに?
2012年の九月にバンクーバーに来ました。日本で結婚してから四年半ほど二人で海外を旅していたんです。
オーストラリアにいる 時に私と夫はヴィーガン(植物性食品のみを食べる)というものに興味を持つようになって、カナダのバンクーバーがヴィーガンフレンドリーだと聞いて、ヴィーガンカルチャーを感じてみたいなぁと、最初は軽い気持ちで来たのが居着いちゃいました。笑
夫はバンクーバー入りする前にインターネットで就職活動はしていたので、ヴィーガンレストランで働くことは決まっていました。私はSouth GranvilleにあるHeirloom(エアルーム)ベジタリアンレストランのキッチンで二年半ほど働いていました。
—ヴィーガンに出会ったきっかけは?
きっかけは、オーストラリアで知り合ったアーティストの夫婦がベジタリアンだったんです。彼らの留守中にハウスしシッターをした時に家で肉魚を料理しない方がいいっていうことで、 ヴィーガン料理をすごく研究し始めたんです。私の料理のベースができたのはそこでですね。時間がたくさんあったのも手伝ってそこから凝ったウエスタン料理を作りまくりました。ヴィーガンでハンバーガーひとつをおいしく作るのは意外に大変なんですよ。笑
—肉でないもので肉を作るのは大変ですよね。笑
チャレンジしていく過程でヴィーガン料理は楽しいなって思ったんです。
—それまでも料理をしてたのでしょうか?
料理は昔から好きで、子供の頃からお菓子作りをしていました。
ヴィーガンのお菓子を美味しく作るのも大変なんですよ〜。たまご小麦粉を使わないので、ふわふわのスポンジを作るのはほんっと大変。
—バンクーバーでプリンを作るきっかけは?
夫と私は月一で「ポエムナイト」というポエトリーリーディングとヴィーガン料理を出すイベントをやっていて、メイン料理は主にアジアンテイストでお出ししてるんですが、夫がプリン好きで、ある時ヴィーガンバージョンでプリンを出してみようってなったんです。
プリンを出した「ポエムナイト」で好評をいただいて、日本人のお客さんの依頼をもらい、「Shizenya」さん(自然食の日本食レストラン)に置いてもらうことになったんです。それを機にちゃんとプリンをやっていこうという運びになりました。
—旦那さんのプリン好きがお店を開くところまでいったんですね。
当時はお店というよりシェアキッチンを探していたんです。見つけたキッチンのレントはどこも高くてどうしようかと躊躇していたのですが、ようやく契約まで漕ぎつけたキッチンのオーナーさんが急に予定が入って契約延期になったんです。その後に知人の店がクローズして、そこは小さい窓のある物件だったので直接お客様にも売れるぞということで即決めとなりました。契約延期になったその日は一二月二四日で、私たちにとって良い日になりました。
—プリン作りで大変なことやチャレンジってなんでしょう?
ビジネスをするにあたってお客さんの目にとまるにはどうしたらいいかと思案して 、ヴィーガンでオーガニックにこだわることにしました。
ココナツミルクにもいろいろあって、仕上がりのテクスチャーがまったく違うんです。出来上がりがやっすーい寒天みたいになっちゃうのもあって(笑)…でも、見つけました!
—そのレシピは教えてもらえますか?笑
そのレシピはもちろん内緒です。笑
—ですよね〜。笑
プリンのフレーバーは何種ありますか?
バニラ、抹茶、チョコレートの三種ではじめたのが今は八種類あります。その他に一番人気のクリームブリュレと、新商品のタルトがあります。パウダーミックスを一年半前から販売しているんですが、これにはかぼちゃを一から蒸してドライにしたものが入っていて、どなたでも簡単にプリンができます。ココナツミルクを足して、ブレンダーで混ぜて、温める、それで冷やすだけ。
タルトにするのならタルト型に流すだけです。
プリンをクロワッサンにつけるスプレッドとして使うのもオススメです。
—美味しそう。私にもできそうです。全てご自身で作っているんですか?
スタッフと協力して作っています。八時に出勤して、十一時から開店しています。
—あ、意外に普通ですね。パン屋さんとかは朝早いじゃないですか。
そうなんです。意外にフツーです。笑
プリン屋さんやってますっていうと「すご〜い」って言われるんですが、意外とフツーです。笑
お休みの日もついつい仕事をしてしまいがちですが、たまには夫婦そろって家でダラダラする時間も楽しかったり。カフェに行くのも好きですね。
お天気の良い時は大自然の中でヨガをしたりしてます。夏はキャンプ、待ち遠しいです。
私はクリームブリュレが好きなのですが、Vegan puddingのクリームブリュレはお砂糖控えめで食べた後も罪悪感が起きず(笑)、却って身体が喜んでいるような感じになります。作っているプリン同様、優しくて自然体な印象のひろみさんでした。
プリン、オススメですよ〜。
vegan_pudding_co VeganPuddingCo
[文:Sleepless Kao]