伊藤あゆみさん

働きing:伊藤あゆみ

今回はヨガインストラクターでタイマッサージセラピストでもある伊藤あゆみさんにインタビューをさせてもらいました。
伊藤あゆみさん
伊藤あゆみさん

今回はヨガインストラクターでタイマッサージセラピストでもある伊藤あゆみさんにインタビューをさせてもらいました。

—どんな経緯でバンクーバーに至ったのでしょうか?

 19歳前後は自分探しでもがいていた時代です。自分に何ができるのか?

 高校の時からなんとなく海外に出たいなという夢はあったように思います。英語を話せたら色々な分野に幅が広がるかなって。

 工業高校のデザイン科を卒業後、桑沢デザインに行き、おもちゃや雑貨のデザイナーを夢みて、プロダクトデザイン等を勉強しました。専門卒業後はデザイン関係の仕事には就くことができす、留学費用を貯めるため知り合いのつてで別業種の会社に就職しました。そこで営業事務などを10ヶ月ほどしてたのですが、日々、留学のことだけ考えてました(笑)

 2006年、22歳の時に観光ビザで6ヶ月ほどバンクーバー、アルバータで過ごした後、学生ビザに切り替えて7ヶ月ESLの学校に行きました。アルバータでは3Dアニメーションのプログラムのクラスもとりました。

 日本に一旦戻り東京のグラフィックデザインの会社に就職したんですが、これがいわゆるブラック企業で、夜も遅くまで働いてストレスで3ヶ月しかもちませんでした。

 ストレス社会に耐性がなくて我慢して頑張るほどデザイナーという職業に執着してなかったんですね。

 仕事が続かない私に妹は、「お姉ちゃんみたいなのを『シュガー社員』って言うんだよ」と言われて悩んだりもしてました。

 英語の勉強を続けたかったので、2008年に2度目の渡加にチャレンジしました。

 24歳でワーホリ。Yaletownの“ウエストコーストホットヨガ”で職を得ました。最初は受付で始めたのですが、そこではティーチャートレーニングがあり、終了すると同時にヨガのインストラクターとしてクラスをもたせてもらえました。

伊藤あゆみさん
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—工業デザインから全く違った方向ですね。

 そうですね、実は5歳から20歳までバレエをしていたんです。ヨガに出会ったのは専門の時に通ってたジムで、呼吸を意識して体を開いていくというのが、バレエと違いすごく気持ちがいいな〜って感動しました。そこで「ヨガの先生になるにはどうしたらいいんですか?」ってインストラクターに聞くほど興味が湧いたのを覚えています。でもまだその時は将来はデザインで食べていくんだろうなーと漠然と思ってました。

—ヨガスタジオで働きだしたのも必然だったんですね。

 そうだと思います。ヨガは本番がないからいいですよね。常に練習。

 幼少期に始めたバレエは沢山練習しても本番で失敗してしまうことが多く、自分のやることに自信が持てなくなっていった根源でもあったと思います。

 ヨガを通して、自分は自分のままでいいと思えるようになりました。

 デビューは小さいスタジオでアットホームなのが良かったです。

 けれどはじめてのクラスはものすごく緊張しましたよ〜(笑)当たり前ですがクラスは英語でカナディアンにレッスンを行うので、家でしゃべる練習を何度も繰り返しました。

伊藤あゆみさん
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—ワーホリの後は?

 運良くスタジオでワークビザを出してもらいました。バンクーバー生活が肌に合ってたのでこっちにずっといるのかなって思ってた矢先、スタジオの経営が悪化してワークビザ更新ができなくなってしまったんです。

 そんな時4年付き合った彼と結婚。移民してリッチモンドの”YYoga”で働き出しました。最初は受付のスタッフとして入りました。これは私のテクニックなんですが(笑)、ヨガのインストラクターはバンクーバーにはたくさんいるので、まず私という人となりを知ってもらうことが大事だと思って。半年ほど勤務してインストラクターのオーディションを受け、YYogaでもクラスをもたせてもらえるようになりました。

 ヨガには流派がいろいろあるので、毎年1回は新しいトレーニングを受けて、ヨガへの学びを深めてるようにしています。最初はホットヨガを教えてました。

 人気があるのはハタヨガ(ポーズをとる、呼吸法)、レストアティブ(リラックス系)陰ヨガ… あと個人的に瞑想が重要な自己練習の一つです。ヨガインストラクターとしてのキャリアは充実して行ったんですが、2014年に残念ながら離婚してしまって、私の第1章は終わりという感じでした。

—なんとも…順調な話にもいろいろありますね。

 ちなみにプロローグは『日本で自分は一体なんなんだ!?どこに行っても居場所がない!』みたいな感じです(笑)

 今はティーチング一本でリッチモンドとバーナビーのYYogaと日本語学校でも毎週火曜日教えています。

—自分探しはヨガで落ち着いたんですね。

 そうですね。自分を探していてヨガと出会い、ヨガを通して自分の進むべき道を見つけました。

 2012年から日本とカナダを中心に世界を旅してヨガを教えてるWaylon   Beldingという先生に師事しているんですが、彼を通して日本のヨガコミュニティーにもつながってきているんです。

—ヨガで世界が広がりますね。

 ここ数年はタイマッサージを勉強しています。体を動かし流れを良くして自己免疫力を高めるという意味ではヨガもタイマッサージも根っこは同じなんです。

 タイマッサージは始めて一年なのでまだまだ勉強中です。

 来月からタイマッサージのアドバンストレーニングを受けるために2ヶ月間タイに行きます。そのあとはインドに1ヶ月アーユルベーダ(インドの東洋医学)を勉強しに行ってきます。学べる環境があることに感謝しています。

「ヨガをするイコール自分に向き合うので生涯勉強です」というあゆみさん。自分のやりたいことに素直に向き合い、努力を惜しまない素敵な女性でした。

3月よりまたバンクーバーでヨガクラス、タイマッサージの提供を再開します。ホームページ、フェイスブックで情報を配信していますので、ぜひご覧になってください。

ayumiito.net / facebook page: ayumiitoyoga

[文:Sleepless Kao