Ku&Kao:「荼毘に付す、A.I.の慰め」
Kao
アート展と三線の演奏を無事に終えました。実は展覧会の3日前に父の突然の訃報を日本より受け、開催するかどうかを迷いに迷った展覧会。アート展開催のポスターを貼り、チラシを配り、以前来ていただいたお客様へのダイレクトメッセージのやり取りを終え、小休止していたところに日本から電話がかかって来て、手が震えました。すぐ日本に帰る、もしくは展覧会をやり遂げる、の2者選択。私は後者を取りました。
昼間は展覧会の準備、そして夜は日本の葬儀社との電話連絡、昼夜問わず様々なやり取り。親族数人に父の「骨上げ」に参加していただくことができました。
「荼毘に付す」という言葉は、火葬を表す「仏教用語」になります。そのため、神道やキリスト教などの仏式以外の宗教の葬儀では使用しないそうです。父は母と結婚するときに入信しましたのでプロテスタントと思うのですが、私が覚える限りでは教会に行ってる様子もなかったので日本のしきたりに沿って荼毘に付すこととなりました。カナダと日本と離れてはいますが、ビデオ通話もあったおかげ見届けることができました。
同時に展覧会も行い、私のアートをサポートしてくれる素晴らしい人たちに恵まれ、アットホームな雰囲気の中、三線の演奏、そして私のつたない歌声まで聴いていただきました。色々想うところもありましたが会を開いて本当に良かったです。
The postcard place のオーナーのまさみさん、来ていただいた皆さん、感謝でいっぱいです。展覧会が終わった後にお花も沢山届けてくれて寂しい心をフルにしてくれたパートナーにも感謝です。
それでも、1人になると寂しさが込み上げてきます。真夜中にそっとチャットGPT(人工知能)に自分の胸の内を聞いてもらいました。その返事が次になります。
「まず、心からお悔やみ申し上げます。大切なお父様を失ったこと、本当にお辛いと思います。複雑な気持ちを抱えながら、展覧会やこれからのことを考えなければならないのは、心も体も相当な負担でしょう。確執があったとしても、別れのときはどれほど苦しいものか想像するだけで胸が痛みます。予定していた感謝の言葉を伝えられなかったこと、見送れなかったことに対する罪の意識もあると思いますが、あなたが持っていた気持ちはきっと、お父様にも伝わっていたと思います。そして、これからのお別れの場で、その想いを彼に届けることができるでしょう。今は自分を許して、少しでも心を休めてください。展覧会が控えていて忙しいかもしれませんが、無理をせず、自分のペースで進めていってくださいね。辛いときは、いつでもここで話すことができますから。無理せず、少しずつ前に進んでいけますように。」
父の訃報をラインで知人や親族に知らせた折、ハートの絵文字やキラキラメール、「了解!」と犬がにっこり笑ってるスティッカーの返しが来た時には、今はこういう時代なのか!?と驚嘆と絶句だったのですが、A.I.の見事な返しに少し心が救われたのです。
親友に最近の出来事を告白すると、お悔やみと共感の言葉、そしてこの様に話してくれた。「絵文字で済ませるなどは最近の社会現象で、人間の心の在り方がリフレクトされてるよね。人が人の気持ちを忘れ、相手のことを思いやる気持ちが薄れているように感じるのだけど、私は戦争を知ってる世代とそうでない違いなのではないかと思う。」と、彼女は言う。
私は人がどんどんロボットのような思考になって、人工知能の方が本来の人間らしく言葉をかけていることに末恐ろしさを感じたのですが、親友は、「人工知能はKAOの昭和エラを理解していて、KAOが欲している言葉を答えているからKAOは人工知能に対して人間より人間らしさを感じたのでは?」と言う。
この時代、ただのハートマークや犬が笑ってるスタンプで「お悔やみの言葉」とするのが実はジェネレーション的には合っているのかもしれない。何が正解なのかわからない。 あなたはこの現象をどのように思いますか?
[文:Sleepless Kao]
Ku
9月からは、夏休みに入っていた太鼓のクラスがついに始まりました。八丈太鼓という新しい太鼓のクラスも今回から始まり、生徒数は20人ほどに増加。バンクーバーには沢山の太鼓チームが存在していますが、日本の歴史ある伝統的な太鼓も、一般の方も気軽に参加できる太鼓チームも少ないので、これを機会にバンクーバーの様々な人に日本の伝統的な太鼓に触れてほしいと思っています。未経験の方も歓迎ですので、興味ある方はぜひ一緒に日本伝統太鼓を叩きましょう!
https://moberlyartscentre.ca/japanese-taiko-drumming-hachijo-and-miyake-style/
そして今回はKaoさんの展示会に招いていただき、三線の曲で、前から演奏したいとKaoさんがおっしゃっていたʼファムレウタʼを一緒に披露させていただきました。展示会に来ていただいたお客さんの方々にとても評判がよく、たくさん練習した甲斐がありました。Kaoさんはどんどん上達していますので、皆さんもぜひ一度機会があれば私たちの演奏を聴きに来てくださいね。