編集後記2024年5月

Ku&Kao:春に鳴り響く太鼓と三線の音色

Ku

カナダ三宅太鼓会

春の日差しも暖かくなってきたバンクーバー。桜も散り始めた4月最後の週末、私の所属しているカナダ三宅太鼓会にとってとても大きな動きがありました。

三宅太鼓とは、東京都三宅島に200年以上前から伝わっている歴史ある伝統芸能です。もともと年に一度行われるお祭りにて叩かれているこの太鼓を、私たちの三宅太鼓の先生である三宅島芸能同志会の津村さんご一家が、ステージの上で行うパフォーマンスにアレンジしたものが、現在では三宅太鼓として全世界に広がっています。

2016年に、津村さんのご兄弟がバンクーバに来て三宅太鼓のワークショップを開いてくださったのをきっかけに、バンクーバーでも三宅太鼓会が発足。運命の出会いであったワー クショップから8年経った今年、ついに正式に三宅島芸能同志会の一員として認めてもらうことになりました。そして2024年4月27日と28日、なんと津村さんご兄弟にもう一度バンクーバーに来ていただき、第二回のワークショップが実現したのです。これはカナダ三宅太鼓会として大きな意味を持ちます。カナダ三宅太鼓会は Vancouver recreation programに登録してあり、一般の方がいつでも参加できるようにしています。それはもっともっと太鼓の文化や三宅太鼓をカナダに広めていきたいという想いからです。カナダ三宅太鼓会が正式なチームとして認められたこと、そしてワークショップを開けたこと、この二つはカナダに三宅太鼓を広める大きな大きな一歩なのです。

そして、実は今回のワークショップの参加者のなかには三宅太鼓もしくは太鼓そのものに触れたことがない人たちが沢山いたのです。経験者だけでなく普段太鼓に触れていない一般の方が多く参加し、三宅太鼓や和太鼓そのものに興味を持っていただけるきっかけにもなりました。今回の出来事はまた次に、未来につながるものになり、これからの活動にも身が引き締まる思いです。

三宅太鼓は様々な方が楽しめる太鼓です。年齢も性別も出身も、たとえ体が満足に動かない方でも自分なりの太鼓との関わり方を模索、探求することが可能です。だからこそ、カナダ三宅太鼓会は誰でも参加できるようになっているのです。

もしこれを読んでいる方で太鼓や 三宅太鼓に興味を持ってくださった方がいたら、ぜひ三宅太鼓芸能同志会のオフィシャルWebサイトやカナダ三宅会のFacebookなどをご覧になってください。直接のご連絡もお待ちしております。これからも活動を続けていくので応援のほどよろしくお願いします。

 

 

三宅太鼓芸能同志会オフィシャルウェブサイト
カナダ三宅太鼓会Facebook
カナダ三宅太鼓会Instagram

[文:Ku]

 

 

KAO (a.k.a. SleeplessKao)

「三線を買いに」

絵本、「手袋を買いに」のようなタイトルですが(笑)、今回の日本帰国は大阪に三線を買いに行くのが一番の楽しみ。

4月に就航されたJALのLCC(ローコストキャリア)であるZIP AIRに乗りました。JALと比べてぎゅうぎゅう詰めであるのは否めないけれど、とっても安いのと、ご飯の時間を気にせず、自分のタイミングで勝手に食べ、勝手に眠れるのは自分の性格に合っていました。椅子の背もたれにスクリーンはついていません。私は事前にiPadに映画やドラマをダウンロードしていったので機内映画サービスがないのは気にはなりません。機内はフリーWi-Fiが使えるので、カナダや日本の友達とメッセージをやりとりしたりと時間がすぎるのが早く感じました。機内サービス·エンタメや機内販売を携帯や自身のデバイスから背もたれに表記されているQRコードを読み取り、必要なサービスが購入できます。何が買えるのかチェックしようとウェブサイトに行くと何も表示されない。(あれ?)と思っているとシステムエラーが起こりアクセスができないことのお詫びのアナウンスが流れる。事前予約をしていなかった人たちは何も変えず状態。私は飛行機に乗る前に飲み物と食べ物を買い込んでおいたのでセーフ。LCCは無料で利用できるサービスが最低限のものに限られるので物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、一般航空会社よりもお得なので私はまた利用するかな〜…。ただ、ほんと狭い。体の大きい人はちょっと大変そうでした。席をグレードアップしてもいいかな、とは思います。

そして日本到着の翌翌日、大阪までの長距離バスに乗る。「夜行で行くからバスの中で寝て起きたらもう大阪だよ」と友人が言うので初チャレンジ。長距離バス は、ものすご〜くリーズナブルなのとバスストップが便利なところにあるがもいい。ちょっとした旅行気分にもなったので使ってよかった。でもまた使うかどうかっていうと、やはり長時間移動は考えてしまうので新幹線が便利かな〜。

さて、目的の三線のカスタムメードを頼みに「きよむら工房」にいざ!

3月4日にバンクーバーで行われた三線ワークショップで、工房のオーナーで ミュージシャンでもある清村さんにお会いしたご縁で、三線を作ってもらうことになりました。

三線の胴巻きや面の部分を自分の描いた絵でデザインしてもらう打ち合わせをしてワクワクが止まりません。

日本滞在が短いのでオーダーメードの三線は次に帰国する時までに作ってもらうこととなりました。練習用に安い三線をどこかで買おうと思っていたのですが(それこそAmazonで買おうと思っていた笑)壁に飾ってあった本皮の三線を見て一緒に着いてきてもらった大阪の友人が「これ、ええやん。買おうや」と言うのでこれまたノリで買ってしまった(苦笑)。どの同巻きにしようかな〜、虎とかドラゴンも捨てがたい〜自分仕様の楽器を作るのってテンションあがる〜。私の選んだパーツで ぱぱっと 蛇皮三線を仕上げて清村さんが民謡を沖縄の言葉で歌いながら弾いてくれる、気分はもう沖縄なのです。楽しすぎて長居してしまった。

自分の絵で三線を作るアイデアにのっていただき感謝。出来上がりが今から楽しみです。

「カオさん、いい趣味を見つけたね〜」なんてよく声をかけられますが、ほんとそうです。この歳で楽しい楽器の趣味を見つけることができてありがたい。沖縄の文化を学ぶ機会もあり、知らなかったことの多さに気づきます。

本誌にも告知されていますが6月22日にバーナビーにある日系文化センター·博物館にて、バンクーバー沖縄太鼓主催「Ichari-Van NIGHT」が開催されます。文化的にも興味深く楽しいイベントなので、ぜひチェックしてみてください。大阪で目的を果たし、新世界などの下町も観光、どこへ行っても皆んな良くしてくれるので大阪が訪れる度に好きになっていきます。めっちゃ体質に合ってるのかもしれへん。沖縄の言葉と大阪弁が入り乱れ、どんどん日本語が下手になっていくのでした(笑)

[文:Sleepless Kao