編集後記2024年 12月号

Kao 「京都 古民家」

 友達に招かれて突然京都の田舎に古民家の内覧めぐりへ。 ぶらっと行く距離ではなかったけど、行ってよかった。

 ひょんなことからバンクーバーの知人がアート交流の目的で古民家を買う計画に付き合うことになった。和束(わづか)町はかつてはお茶栽培で栄えた町だ。高齢化が進み、空き家が多くなってきているのを「空き家バンク」というのをはじめて町を活性化しようというみだ。移住定住推進事業チーフコーディネーターの湊(みなと)さんの案内で川沿いの細い道を軽バンで走る。紅葉で木々が色づき、川のせせらぎも相まって美しい景色が広がる。 素晴らしい景色!こういう景色の中の古民家いいな。

 古民家に続く道は狭く、行き着いた先は和束町の群落の奥地、一番近いバス停までは歩いて1時間近くある。 ひっそりと佇む家主のいない古民家は玄関を開けるとタイムトリップをしたような昭和era満載。私は一眼でフォーリンラブ。とはいえ、私が買うわけではないのだけれど(笑)

 綺麗に片付けられているが家具はそのままに壁の振り子時計はしっかり時を刻んでいる。そこここに神様を祭る小さな神殿があり、京都の人の神様や自然への感謝や信心がうかがわれる。立派な梁も古民家ならではである。興味深いのは3件内覧した古民家のどれもお風呂場が離れていること。トイレに至っては一回、家を出て外にトイレの家があったり、男性用便器などは囲いもなく外に設えていたりする。そういえばこのような形状は私が子供の頃の祖父母の家の様だ。トイレは外に女性用、男性用の個室。そして男性が立ってできる便器が外にあり、3つのトイレがあったので、”私たち3人で一緒におしゃべりしながら用を足せるね”とジョークを言い合った。

 これは和束町の群落の形状もあり、下水を引いていないので、汲み取りのトラックが来るシステムのせいもあるという。マークさんは浄化槽を整え、水洗トイレにするのは可能かなど細かな質問をする。私は京都に観光に来たつもりだったがいつしか私は湊さんとの間に入り通訳の人となっていた。(苦笑) 大抵の家は大きな納屋もあるので、そこに”陶芸もできるワークショップスペースにしよう”、など夢は膨らむ。私も日本の実家のリノベを帰国する度にやっているので、話をしながら一緒になってワクワクしてきた。だがしかし、外国の人がこの町へどうやって足を伸ばすのかや外国人が田舎に家を買うこと、留守中の管理。etc. 人ごとながら通訳をしながら(課題がたくさんあるな~)と心配になってしまった。この計画が成功した暁にはまた訪れてみたい町である。

[文:Sleepless Kao

Ku

 日本では流行語大賞が発表され、今年ももうそんな時期なのかと時が経つ早さを実感いたしました。毎年、この言葉そんなに流行ってたのか、と日本の流行り廃りに置いてけぼりになる自分ですが、今年の流行語大賞である「ふてほど」はついに全く聞き馴染みのないものでした。誰がどんな基準で決めているものなのか、すごく気になってしまいます。

 さて、そんな流行語大賞の発表に伴い、今年を振り返ってみると様々な事が思い出され、私にとっては挑戦の年だったなと感じました。Kaoさんと出会いこの雑誌をお手伝いさせて頂くことから始まり、サザンウェーブにKaoさんと入り沖縄文化に触れ、太鼓や踊りも多くの新しいことに取り組んできました。様々な人に出会い助けられ(主にKaoさんを中心に)、毎日がとても充実した一年でもありました。来年も、自分に正直になってやりたい事を頑張っていきたいと思います。ではみなさん、また来年もよろしくお願いします。

良いお年を