編集後記 2019年3月

KAO (a.k.a. SleeplessKao)

 峰岸伸輔さんと桑原誠司さんの二人展のオープニングや今月号の『MEETS』で取材した沖縄からやってきた三線奏者、美音さんのライブを見に行ったりと2月は本誌で取材した方達のイベントが目白押しでした。どちらのイベントも沢山の日本人、日系の方達が集っていて大盛況でした。

 ところで話変わって、バンクーバーで「麻疹」が発生しています。お子さんのいるお宅は学校から通達がきていると思いますが、症状と予防について明記したいと思います。

 はしかは非常に感染性が高く、感染した人が咳やくしゃみをすると空中に広がって同じ部屋でほんの数分一緒にいるだけで感染します。ウイルスは最長2時間生存するので公共トイレなどでは特に警戒が必要です。

食べ物や飲み物、タバコを共有すること、またははしかを持つ人にキスすることによっても広がる可能性があります。マスクでの予防は難しいので1970年1月1日以降に生まれた人には、2回接種のMMRワクチンが推奨されます。それより前に生まれた人たちは免疫力があると見なされます。

 皆さんも人混みの中に行く機会があると思います。私も学校でアートを教えているので沢山の子供達と関わります。手洗いうがいも心がけましょう。

予防接種の場所:

* VCHコミュニティヘルスセンター(North, South, Three Bridges, Evergreen, Ravensong, and Pacific Spirit Community Health Centers).

*予防接種サービスを提供している特定の薬局。

*特定の家族/一般医院。

Kazuho Yamamoto

 皆さん、YONDR(ヨンダー)をご存知ですか?ヨンダーは、ロックのついているスマホを入れるポーチです。イベント中のスマホ利用を防ぐ目的で開発されました。ジャック・ホワイトのコンサートでその利用が話題になっていたので知っていましたが、先日観に行ったコメディーのイベントで初めて体験しました。ツアーや番組製作中のネタバレを防ぐため、また会場内でのスマホ利用による迷惑行為の妨げを目的としてアーティストがリクエ

 ストしたようです。ヨンダーは、コメディーだけでなく、コンサートやコンフェレンスなどで幅広く利用が始まっています。

 劇場の入り口でチケットをスキャンの後、ヨンダーのポーチにスマホを入れられ、ロック後に渡されました。会場内には何箇所か「セーフゾーン」というのが設置され、その中にはスタッフとポーチを開ける器具があり監視下でのスマホ利用が許されていました。

 スマホを見ないでいる時間といえば授業・仕事中と、お風呂と就寝中だけじゃないか位スマホにぴったりの現代人、スマホ無しでの2時間はどんなものかドキドキワクワクでした。公演が始まる前のロビー、セーフゾーンに行ってチェックしている人は数人しかいませんでした。これは結構予想外。もっとたくさんの人が殺到するイメージがありました。それと反対に、スマホのない環境のロビー・客席で起こったのは人と人との繋がり、向き合っての会話でした。最近、友達と一緒に時間を過ごしていても、話の途中でスマホをチェック、あるいはスマホの写真やビデオが話題になることが多くあります。こうした環境に浸りっきりの中でスマホ・フリーの数時間はポジティブに捉えられ、新鮮さがあった気がします。

 公演後はヨンダーのスタッフがロックを開ける器具(防犯タグを取る器具のようなもの)を持っていて、そこに行ってポーチを開けてもらい、返却という仕組みでした。もちろん、ポーチを開けてもらった後はみんなスマホに目が釘付けでしたが(笑)

 こうした器具がないとスマホから目が離せないというのは人間が機械に操られているのではないかという心配がありますが、

今回スマホからの隔離を意識的に体験し、スマホ・携帯を持っていなかった時代の感覚が蘇った気がします。ヨンダーはイベント時しかありませんが、今後こうした時間をもう少し増やしていけたらと思いました。