編集後記 2019年2月

KAO (a.k.a. SleeplessKao)

 師走の慌ただしさが嘘のように1月はゆっくりと流れていきました。お勤めをしているわけではないので時間調整がなんとも難しい…遊びはじめちゃうとなかなかエンジンがかからないのがフリーランスの常でダラダラとした時間を過ごしていた中、本当だったら先月終わらせていなければならない(冷汗)自身の個展に来場された方に『感謝を込めてプライズ抽選会〜!』を行いました。驚いた事に一等の「絵」が当たったのは 「働きing」2017年の8月号でインタビューした俳優の加藤龍太君でした。

加藤君と待ち合わせをして、当選した「絵」を渡し、近況を聞いてみると映画の世界で活躍してるではないですか!

TVドラマのArrowやiZombie、ディズニー映画のNoelleに出演して、最近では浅野忠信さんも出演している「Midway」という映画にも出たそうで、彼のiPhoneの中の映画撮影時の写真も見せてもらいました。取材した人たちが活躍して行っているのを目の当たりにすると本当に嬉しいですね。もうこれはダラダラしているバヤイではないのです(笑)

 という事で、お腹も減ったし、気になっていた「YAMA Cafe」さんに取材申し込みの電話をしてみました。

 『MEETS』も読んでみてくださいね

Kazuho Yamamoto

 1月1日に『Tidying Up with Marie Kondo』(邦題は『KonMari 〜 人生がときめく片付けの

魔法』)シリーズがNetflixでリリースされました。新年の抱負を立てる時期に合わせての番組の発表で、整理整頓・断捨離をテーマとした番組は大きな話題になっています。ソーシャルメディアだけではなく、この番組の影響で、衣服や家具のドネーションの販売を通じて資金集めをするSalvation Armyやその他のThrift Storeのドネーション受け取り率が急増したというニュースもありました。

 この影響で、職場でも”こんまり”の話題が出たりして、散らかっている雑然としている自分のデスクにプレッシャーを感じた日本人でした(笑)でも、ごちゃごちゃしていても、どこに何があるかは分かるし、そのごちゃごちゃに意味があることを分かってもらいたい〜!

 そんな矢先、PuShフェスティバル(毎年開催されるパフォーミング・アーツの祭典)で日本から「マージナル・コンソート」(今井和雄、越川友尚、多田正美、椎啓)の公演があり、見に行ってきました。四人のミュージシャンが四方向からインプロバイゼーションをひたすら行う三時間。どのテーブルにも音響ミキサーや音響関係の機器がいっぱいあって、ケーブルやら、その他の楽器や音を出すのに使う日用品でごちゃごちゃしていました。入場したと同時にパフォーマンスが始まり、公演を見ているお客さんも好き勝手に歩き回るのが見方なのでさらにごちゃごちゃに。その感覚を不思議な音と一緒に楽しむ、そこに秩序を見出すこと。混沌の中の秩序、これこそ私の属す”こんまり”!と一人で感動していました。

 お手玉、糸電話、キッチン用品、紙で作ったホルン、ホウキ、バスケットボール、紙鉄砲などの日用品や手作り品で音を作り出していたのがとても印象に残りました。子供時代はこうしたDIY、物をありのままで捉えず、他の利用法を考えて遊ぶという気持ちがもっとあった気がします。大量生産、大量消費社会の中でそうした考え方が少し失われた気がします。

 近藤麻里恵さんが世界に紹介した衣服の畳み方や箱収納などは日本の限られた狭いスペースでの生活から生まれたコンセプトだと思います。そして、「マージナル・コンソート」で見聞きしたユニークな音作りの数々も日本の玩具や子供の工作といった創造力を思い起こさせられました。

日本から発信していけるもの、世界中に住む日本人が世界から発信していく日本人としてのアイデア、次はどんなものが出てくるか今から楽しみです。