
1ケ月前にオープンした「カープ」というお寿司&お弁当屋さんを訪ねてみました。
ーこんにちは〜。
こんちは!
—オープンしたばかりなのに結構お客さんが来るんですね。
僕がお店を開く前にここはお寿司屋さんだったんですよ、前からのお客さんが寄ってくれたりもしてますね。
お客さんの波が引くまで、お店の中を物色。おそばの上にフレッシュな野菜がトッピングされ、特製だれと一緒に容器に詰められた「そばサラダ」や「手づくりパンナコッタ」など気になるアイテムが冷蔵棚にきれいに並んでいる。

—これはなんですか?
キャンディサーモンです。エンガワを使ってしょうゆベースでメープルシロップ、ハニー、ブラウンシュガー、麹、みりん、ジンジャー、ガーリックで最低2日漬け込んでます。
—美味しそうですね。
Coast restaurantで4年ほどシェフをしてたんですが、その時に作っていたものを自分流にアレンジして作っています。このパンナコッタも手づくり豆腐を使っています。
—ほんとだ、口当たりが軽くて食べやすいですね。
食材はなるべくローカルの物を使うようにしています。
—このキャンディーサーモンも美味しいです。ご飯が欲しくなります。メニューに載ってるスモークサーモンマンゴー&クランチープラウンロール(Smoked salmon mango & crunchy prawn roll)も気になります。なんか食レポみたいになってきてしまいました。(笑) —先ほどから気になってたんですが、そのエプロンいいですね。
ありがとうございます。このエプロン、友達の手づくりなんです。僕、広島の出身なんで。それでお店の名前が「カープ」なんですよ。(笑)
話は、2009年にワーホリでバンクーバーに来た時に戻るんですが、オカナガンでチェリーピッキングをしたんですよ。20パウンドで5ドルで大体1日200ドル稼げます。貯まったお金でメキシコに1ケ月行ったり、あちこち旅に行きました。シーズンになると、今度はオーストラリアのタスマニアにチェリーピッキングに行きました。そこは1キロにつき1ドルで1日頑張れば427ドルいった時もあります。
そんな根無し草を3シーズン続けた後、またバンクーバーに戻ってきたんです。
ワーホリの時に働いていたCoast restaurantでワークビザを出してもらってすしシェフとして4年ほど働いてこの店を7月にオープンさせたわけです。 で、エプロンはその時の「チェリー時代」の友達がオープン祝いに持って来てくれました。
—エプロン一つにも物語がありますね。
あの時の経験が今の自分を形成してるところがあって、忍耐強さとかチャレンジ精神とか培われたと思います。チェリーの木の下で生きる全てを学びましたよ。(笑) ちなみにこの「アパッチ」は広島の友達がプロレス団体を持っていて、僕、そこに誘われて、その時にもらったリングネームがアパッチ。で、それ以来みんなからアパッチと呼ばれてます。(笑) Tシャツは広島の先輩が作ってます。
—お店を開こうと思ったきっかけはなんですか?
僕ね、結構ラッキーなんですよ。知り合いが前のオーナーで、お店を閉めるっていうので、じゃあやろうかなって、。 ワーホリでこっちに来た時から広島風のお好み焼き屋をやりたいなって思ってはいたんで。
—お好み焼きいいですね!ぜひやって欲しいです。
ただ、今のキッチンの形状だとお好み焼きをやるには足らないので、先の話になってしまうんですが。
ピース売りしてピザのように手軽にテイクアウト…とか構想は練ってます。
—ワーホリ時代、そして漂流記と楽しいお話ありがとうございました。
厳しい生活の中にも楽しさを忘れない精神が夢を切り開く原動力になっているのではないでしょうか。楽しく働く、大事ですね〜。アパッチ君に会って初心に戻りました。
Carp Sushi & Bento
- Tel:604.708.5542
- Instagram: @carp_sushi_bento
- Facebook: carpsushibento
(写真・文 Sleepless Kao)