働きing:高瀬二帆

niho takase

ピアニスト

高瀬二帆さん

ーもともとピアニストを志してカナダにいらっしゃったんでしょうか?

 今から約20年前、ワーホリでバンクーバーに来ました。当時はお寿司屋さんでアルバイトをしていました。職場の同僚がカレッジで音楽の授業を取っていて、その子の友達からピアノのレッスンの依頼を受けました。

 それがきっかけで自分もカレッジで音楽を勉強しようと思い、ワーホリの後に移民をし、VCC (Vancouver Community College)で音楽のディプロマコースに入学しました。

 日本でも趣味でピアノを弾いていましたが、プロとして演奏を行うことは全く思っていませんでした。ただ、幼稚園の文集に将来幼稚園の先生になりたい、その理由はピアノを弾けるからと書いていました。当時はピアニストという職業があることを知らなかったんですね。

ーVCCでの勉強はどうでしたか?

 入学した1年目に出会った音楽の先生がラテン音楽の先生で、この出会いがきっかけで今ラテンの曲を弾くようになりました。先生から「こうやって弾いてみて」と言われて弾いてみた時にとても楽しかったのを今でも覚えています。それまではラテン音楽を演奏したことはありませんでした。

 プログラムは2年で修了し、その後サルサ音楽をいろいろなところで弾き始めるようになりました。昔の方が演奏をする場所がたくさんありましたね。

 サルサの伴奏のことをモンチューノというのですが、今はたくさんいますが、当時はあまりいなかったんです。

 しばらくしてからVCCの学位プログラムに再入学し、学士を取得しました。

 この他にニューヨークとキューバにもレッスンを受けに行きました。サルサはもともとキューバの音楽ですが、ニューヨークでも大きく発展しました。どちらの場所でも驚きの連続でレベルの全く違ったミュージシャンとの出会いがあり、とても刺激になりました。

ー現在のご活動について教えていただけますか?

 現在は演奏活動に加えてノースバンクーバーのLong & McQuadeでピアノを教えています。昔は自分でグループを組んで活動をしていた時期もありましたが、交渉などが苦手で…今は雇われて演奏しています。それが楽しいです。

ー今まで演奏したショーの中で印象的なものはありますか?

 どれも楽しかったので、特にと言われると難しいですね。ただ、友達3〜4人と一緒にカフェの隅で初めて演奏した時にピアノの上に2ドル置いていってもらえた時のことが今でも記憶に残っています。

ーラテン音楽なので、演奏している時にお客さんがダンスしたりといったことがありますよね?

  踊っている人がいない方が心配になりますね(笑)バンクーバーはラテン人口が多いのでダンスする人が多いですね。ダンサーがいるだけでこっちのテンションも上がります。

 観に来たら是非踊って、動き回って欲しいです!

ーピアノのレッスンについても教えていただけますか?

 子供から大人まで教えています。主にクラシック音楽ですね。教えていると子供の頃に自分かいかに練習しなかったかを思い出して悪かったな〜と思うことがあります(笑)

 大人は学びたいという意思があって来ているのでやる気を見せてくれますが、子どもはそうでない場合があります。好きになってもらえるように流行りの曲を教えたりといった工夫が必要です。

ー練習というのはどのくらいされるのでしょうか?

 毎日弾くようにしています。例えば授業の合間に弾いたりとか。私の尊敬しているキューバ人のピアニストでチューチョ・バルデースという人がいるのですが、昔会った時に今でも練習するかと聞いたら「当たり前。10分でも15分でもする」と言っていました。長さというよりはクオリティーが大切だと思っています。

ー今後の目標は?

 演奏する機会がもっと増えたらいいなと思います。最近まで仕事(レッスン)がいっぱいで自分の時間をなかなか持てなかったのでこれからはそうした時間を作っていきたいと思います。

 そして、将来また自分のアンサンブルもできたらと…

今後の演奏スケジュール

6/18 Dragon Boat Festival

詳細:vancouverdragonboatfestival.ca

バンクーバー国際ジャズフェスティバル

  • 6/26 Guilt & Co.
  • 7/1   Granville Island

詳細:coastaljazz.ca

個人レッスン問い合わせ

nihotakase@hotmail.com

[文・山本一穂]