働きing:生田目 謙
大漁市場 生田目謙さん
バーナビーのメトロタウン近くにある大漁市場さんにおじゃましました。
重厚な木のドアを開けると、天井高く広々した空間が広がっていてレトロなポスターや看板が壁にかけられ、カウンター近くのスクリーンには昭和のテレビ放送、ザ•ドリフターズの 『八時だョ!全員集合』や懐かしのコマーシャルが流れています。ひときわ目を惹くのは、入り口から入ってすぐの神々しいお神輿です。何から何まで気になるので、カウンターの中でお寿司を握っているオーナーさんに声をかけてみました。
ー生田目って珍しいお名前ですね。
なんか先祖が武田信玄の息子の勝頼に使えていたとかいう説もあるんですよ。
—広いお店ですが、客席数はどれぐらいあるんですか?
お店自体のキャパシティーは70席になります。が、実際には、テーブル一つ分を使いお神輿が鎮座しておりますので、六五席ほどになります。
—お店をオープンするまでの経緯は?
日本で天ぷら屋のチェーン店の店長をしていたのですが、2002年に渡加し、独立前にはコキットラムにあった「ふじ寿司」の親方の下で修行をしていました。
今の店の前に「蔵」という日本食レストランがあったのですが、そこのオーナーから「リタイアしたいんだけど、謙ちゃんこの店興味ないかな?」と聞かれ、ちょうど独立を考えていたのでタイミングが良かったのもあって2012年に大漁市場をオープンしました。
—待ちが出ていたりと盛況ですが、お店をやっていくのに大変なことやチャレンジってなんでしょうか?
毎日がチャレンジです。笑
お陰様で、日々何とかやっていますが、すべてのお客様に満足していただく事は不可能かもしれませんが、一人でも多くのお客様に楽しい時間を過ごしていただければ、と言う思いで日々営業しております。
—お神輿がひときわ目を惹くんですけど、何か由縁がありますか?
晩香坡櫻會(バンクーバーさくらかい)と言う御神輿を中心とした文化交流団体の役員をしており、御神輿は神奈川県茅ヶ崎市の神輿職人の友人から奉納して頂きました。茅ヶ崎市の松尾大神にて昨年神事を行い、バンクーバーにお越し頂きました。総本社は京都の松尾大社になります。伊豆大島の波浮(はぶ)港の近くで育ったのですが、お祭りにしょっちゅう行っていたのが御神輿好きの発端です。3月のホノルルフェスティバルのパレードでも櫻會を代表して御神輿を担いできました!ホノルルの出雲大社の御神輿を、日本から来られた七団体程の神輿会の方達と一緒に担がせて頂きました。
年末年始も仕事で日本に行った時に松尾大神の御神輿を担いできたんですよ〜。
バンクーバーでは7月のカナダデーのパレードと、7月のアニメレボリューションに御神輿を出しました。今年も御神輿を出す予定です!
—お神輿の話しかしてないんですけど。笑
お神輿がほんとにお好きなんですね
大好きです!笑 商売に負けず劣らず!︎笑
—それがまた商売にも反映されているんでしょうね。
松尾大神は商売の神様なんですよ。ほんとに松尾大神さまさまです。
—それは後利益すごいですね〜。私もお参りしておこう。
なぜ海外で御神輿をやっているかというと、海外に住んでいる日系の子供達の中には日本になかなか行けない子供達もいると思うんですね。そういった子供達に日本の文化に触れられる機会を作ってあげられたら、と言う思いも込めて活動しています。色々な国の人達にも日本の文化に触れてもらいたい。文化交流をしたいという思いがあります。御神輿の活動によって少しは国際貢献、延いては世界平和につながるかなと。
日本食レストランの経営も、日本の食文化を伝える一つの文化活動だと思っているんです。色々な国の人にもっと日本のことを知ってもらいたい。
海外で日本食レストランと言うと比較的価格が高いイメージがあるかと思いますが、そんな思いもあり極力利用しやすい価格設定に努めております。
—これからの予定は?
もし夏に時間がとれたら静岡を皮切りに、横浜、茅ヶ崎の浜降祭、大宮のお祭りとお神輿と担ぎ倒していきたいです!
特に浜降祭は、約四十基のお神輿が湘南の海岸目指して繰り出すのですが圧巻ですよ。
青森の「ねぶた祭」も誘われてるのでそれも思案中です。笑
—あはは、お神輿の話になると止まりませんね〜。神輿ダコ(神輿を担ぐ人たちの肩にできるタコ)がすごそうですね。
手術で除去する方もいるのですが、男(女も)の勲章です!笑
武田信玄、神輿担ぎと男気溢れてそれでいてとっても気さくな謙さん。好きなことにこれだけ入れ込めるのだから、商売の方への原動力にもつながっているのでしょう。
お話伺って遊びも仕事もおもいっきりやっていくのがいいのだなっと思わせてくれました。
7月カナダデーのパレードお神輿の参加者大募集です!
Info@vancouversakurakai.com www.vancouversakurakai.com
[文:Sleepless Kao]