今回も新年番外編として先月に引き続き「スーパー働きング」な漫画家でありアーティストの寺田克也さんのL.A.での個展の様子などを書いた記事なため、日本から移民してカナダで頑張っていこうという働きングさんとはちょっと違うので予めご了承ください。

先月「ソニックゲーム」の生みの親、 安原広和さんと寺田さんと東京でお会いしたわけですが、日本からバンクーバーに戻り、休む間もなく寺田さんの個展のためにL.A.に飛びました。
どれだけファンなんだって?(笑)
ギャラリーのオーナー、エリック・ナカムラ(日系)さんとは、私も彼のギャラリーで展覧会をしたことがあり昔からの知り合いです。他にも知っているアーティストさん達も駆けつけるので同窓会気分なところもあります。それにしても、会うために2つの国を訪れるというのは客観的に見てドラマチックですね〜。私もそこまでのファンが欲しい!(爆)

オープニングレセプションの前日、壁に作品を飾り付けしている時からふら〜っと人が入って来ては、エリックにこれとこれが欲しいから値段を教えてくれと言っています。“今夜Teradaと値段を決めるからまだわからないんだ。明日の朝にプライスリストをメールで送ろうか?”
それを聞いた私はすぐさま、シアトルにいる寺田ファンの安原さん(ソニック)に電話をして状況を告げます。「僕もリスト欲しいってエリックさんに言っておいて。お願い!」
作品の写真をiPhoneで撮って安原さんに送り、なおかつライブでどれがいいか実況中継。いやほんと便利な時代になりました。オープニングレセプションが始まった頃には、主要な作品には赤いSoldのシールが貼られていたので、前日に安原さんに連絡したのは正解でした。おかげで安原さんは気に入った作品を無事購入できて満足そうです。
売れっ子画家さんの絵は顧客がオープニングの前にはすでにチェックを済ませネットでささっとポチる(購入)のですね〜。 このように売れていくのを垣間見れてびっくりなのです。
それにしてもギャラリーに来てた人の錚々(そうそう)たる面々にびっくりしました。何気に談笑していた人としばらくしてから自己紹介をしたら好きなアーティストAudrey Kawasakiさんだったり(お顔は知らず絵だけ知ってました)、有名な映画監督や脚本家、女優さんなどなど。
世界的に活躍している画家のJames Jeanさんも来ていました。私はテレビのドキュメンタリーを見て彼の顔を知っていたのでふら〜っとギャラリーに入ってきた時にすぐ気付き(あ、James Jeanだ!)と大興奮。
Vancouver Art Galleryで見たJames Jeanの大きなキャンバスに描かれた綺麗な女性に似た人がいるなぁと話しかけてみたら、Jamesさんの奥様で、夫婦揃って気さくな方達でした。Jamesさんは4月に日本で展覧会をやるから来てねと言ってくれたんですが、マジに悩みます(笑汗)
とてもハンサムな男性がハニカミながらサインをくださいと寺田さんに近づいてきました。
”大ファンで… 僕、腕にあなたの描いた絵をTatooでいれたんです!”
“え〜!!“ 近くにいた私も大声で叫んでしまい、見せて〜っと袖をまくってもらうと、がっつりTatooが入ってました。いろんな意味でスゴい…。で、私も寺田さんも初めは驚きましたが、そんな人が2、3人来たので個展の最後の方ではもう驚かなくなりましたよ(笑)
オープニングの次の日はiPad Proを使ってのデジタルライブドローイング/ライブ中継を行いました。寺田さんは絵を描きながら皆んなの質問に答えるのですが、アーティストになりたいという15歳の息子さんを持つお母さんが”どのようなサポートをしたらいいのか、もしくは寺田さんは親に反対されましたかという質問に、
「道は一つではないので。いつだってどこに行きたいかって考えるのは本人じゃないですか。反対されても行くっていう強い力を持っているのであればいくら反対してもいいし、もうダメっていうのであればそれまでですね。僕の場合は反対もされず勧めもされずとてもニュートラルな家庭環境でした。でも普通の勉強もしておいたほうがいいよっていうのは母親から言われてましたね。」
最後の言葉に爆笑起きてました。母親ってそういうもんよね。反対しなくても一応言っておくよね。
世界的に活躍している日本人、日系人、アジア人を目の当たりにして、とてもためになったL.A.旅行でした。
The Bulletin/Geppo Magazineでは日系のアーティストや(Hataraking)をたくさん取材してきました。その方達が世界に飛び出してもっともっと飛躍することを2018年も応援しています。

[文:Sleepless Kao]