VIFF:Suffering of Ninko・仁光の受難

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Suffering of Ninko・仁光の受難

ディレクター:庭月野議啓
日本、2016年、70分
詳細:www.viff.org

  • 10月1日(土)午後6時30分 Cinematheque
  • 10月2日(土)午後12時45分 International Village 8

 「Suffering of Ninko」を観終わって作り手のその才能に圧倒された。ストーリーが面白いのは当然のことなのだけれど、(ストーリーは僧侶と 人斬りと妖怪が おりなす、百物語の一編。)自主制作の域を超えたクオリティの高さ。

 浮世絵や曼荼羅を使ったアニメーションを実写に溶け込むように使用しているこの作品を観て、(なんのソフトを使っているのか知りたい〜)と最後のエンドクレジットを見てさらに驚いた。なんと一人で制作しているではないか。しかも監督が自ら!? 

 庭月野監督にインタビューをする機会を頂いたのでその点を聞いてみると「自主制作でお金がないものですから自分で勉強しながらやりました」と言うではないか。「ちなみになんのソフトで?」「フォトショップで絵を描いて、と言っても絵はそんなに上手くはないのでトレースしたり…。動画の方は After Effectsを使ってます」

 あぁ〜、やっぱり。After Effects、なんて甘美な響き。(うっとり)私はMac computerオタクで、使ってるソフトの中で特にこのソフトが好き。好き過ぎて 今では学校でティーンに教えるというほどなので、テクニック上のプロセスなども想像できて嬉しいことこの上ない。

 作中、能面をつけて上半身裸の女性がボレロを踊るのですが、その昔、モダンバレエダンサーで有名なドンジョルジュドンがアレンジして踊ったボレロとアレンジが同じで、それもまた当時ビデオを擦り切れるほど観た記憶が呼び起こされ、魅入ってしまった。モダンダンスと百物語を融合させるって!!この作品、監督のセンスの良さにドはまりしました。

 凄い才能とバイタリティで映画を撮った庭月野監督から興味深い話が聞けて大ファンになりました。次の作品も楽しみです。

 私にとってVIFFでの一押しの作品になりそうです。

文・Sleepless Kao

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