12月 会長からのメッセージ

ベーク・セールでのことでした。私はテーブルからテーブルへと素早く見回しました。とても素晴らしく陳列された品物に気持ちが動きましたが、やがて、宝物を見つけました。お饅頭です! 私だけではありません。テーブルの周りにはすぐに小さな人だかりができました。中身が何なのか聞き、どれを買うか考え、お財布を取り出しました。

お饅頭は大好きなおやつで、祖母の思い出です。

私のおばあちゃんはよく3種類のお饅頭を作ってくれました。皮の中に小豆や白豆の餡が詰められ、完璧なまでにこんがり焼きました。外側が柔らかで白や薄いピンク色の蒸し饅頭も作りました。私の子供時代の好物は、餅米をついて作った、外側が柔らかで粘り気があり中に餡が入っているお餅でした。

私の母は、祖母が、小さなパンケーキの間に餡が挟まったどら焼きや、パンケーキの代わりにパリパリした皮で挟んだ最中や、ゼリーのような羊羹、そして、餅米を餡子で包んだぼたもち(おはぎ)など他のおやつも作ったと言うことでしょう。祖母は、フワフワの雲のようなメレンゲの手作りのレモン・メレンゲ・パイなど洋風のデザートのレパートリーもありました。

祖母のお料理には愛と季節感が込められていました。大きな畑で自分で育てた野菜など一番新鮮な材料を使いました。

私は、美味しい食物への感謝の気持ちを祖母から学んだと思います。子供の時は下ごしらえや見栄えを良く盛り付ける必要を理解したわけではありませんが、何をしなければならないかを知っていました。味が大事なことを習いましたが、見た目も大切なことを学びました。私たちは食べるときに視覚などの感覚を使っているのです。

悲しいことに私は祖母のお料理に十分に気を配らなかったので 、祖母が作ったものを自分で作ることができません。祖母がいつまでも永遠に私に美味しいものを作ってくれると思っていたのです。

お饅頭や祖母がよく作った和風の食物の作り方を習うことを来年の抱負のひとつにしたいと思っています。おばあちゃんの味と同じというわけにはいかないでしょうが、似たものができると思います。これは私達の祖母の食の伝統を引き継ぐひとつの方法だと思います。収容所にいた頃、家族の面倒を見ていた祖母達は、物が不足していた時代に知恵を発揮して食事を用意したのです。

GVJCCAを代表し、皆様とご家族の方々へ、美味しい食べ物を楽しまれ、無病息災、で新年を迎えられることを願って、年末のご挨拶といたします。


地域のシニアの方々を祝う GVJCCA恒例の敬老会は、1月16日(土)正午より午後3時まで開催されます。今月号の『Bulletin/げっぽう』の申し込み詳細をご覧ください。

また、イベント情報ページの、毎年恒例の日系コミュニティ新年会(2016年1月9日)の案内をご覧ください。

クリスマス・プレゼントをお考えの際には、第2回GVJCCAコミュニティ資金調達ボーリング大会の参加券の購入をご検討ください。2016年2月の開催です。詳細は『Bulletin/月報』の広告をご覧ください。GVJCCA『Bulletin/月報』へのご援助は、クリスマスの気持ちいっぱいの理想的な贈り物です。

 


シリア難民にかんする声明

グレーター・バンクーバー・日系カナダ人協会(GVJCCA)はパリや世界各地の卑劣極まるテロリストによる攻撃を非難します。当協会は自国での暴力から逃れようとするシリア難民への反発(要請・署名など)を中止するよう訴えます。また、ヒジャブを着用する母親への暴行やオンタリオ州のモスク放火など、暴行増加に直面するイスラム教徒のカナダ人への連帯を表明します。

当協会では、米国の政治家による大規模収容が必要と言う主張や、1942年以来12万人の日系米国人が強制収容された際の虚偽情報の繰り返しなどを非常に憂慮しています。日系米国人の唯一の「罪」は、彼らが真珠湾を攻撃した人達に外見が似ていたということだけだったのです。

私たち、日系カナダ人には1942年に収容・監禁された悪夢の繰り返しのように思えます。戦時措置法を発動して、カナダ政府は日系カナダ人を「敵性外国人」と見做し、権利を剥奪し、強制収容所に送りました。犯罪行為の証拠はなく、第一次世界大戦で戦った兵士や1800年代からBC州に住んでいた日系カナダ人の忠誠心に対する配慮は何もありませんでした。

当協会は、無知や恐怖の煽動に反対し、シリア難民を歓迎するようカナダ政府及びカナダ市民に呼びかけます。

[文:ロレーン及川 訳:斉藤雅子]