1月 会長からのメッセージ

 明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。
日系カナダ人4世の私は、日本語を話しませんが、祖母が私の家族と同居を始めてから色々なことを学び、祖母の素晴らしい腕前の料理やお正月のお祝いなどの伝統に慣れ親しみました。

 私の家では、クリスマスと言えばターキーとターキーの詰め物、クランベリー・ソースで、元日と言えば何日も準備をして、おせち料理を作り、普段は使わない和製の器やお皿に盛り付けました。また、私の家では大晦日にいつも蕎麦を食べました。蕎麦を食べると新年に福が来ると祖母が言いました。

 日本文化には和食以上のものがありますが、和食にさえも日本の美や、芸術やクォリティ、名誉、自分達が住むコミュニティに対する結びつきが込められています。私は日本への慌ただしい旅行から帰ってきたばかりで、美味しい食べ物に触れ、見るもの聞くものはまばゆいばかりの珍しさ、大勢の人々と出会い、日本人の義理や尊敬の念に触れることができました。

 東京都の人口は1300万人以上で、バンクーバーの人口の7倍以上です。そして3都県にまたがる首都圏の人口は約3500万人です。だだっ広い一つの都市にカナダの全人口が収まることを想像してみてください。東京は巨大で慌ただしい都市ですが、人々は能率的に行動し、リズムがあり、頼もしく感じられます。東京の果てしなく続く灯りやアート、テクノロジーの陳列には四六時中感覚が刺激を受けますが、そこには伝統を尊重し、一分の隙もない礼儀に対する認識も存在しています。
 
 15年前に日本に行った時、清潔さに驚きました。タクシーの運転手が長い棒に羽根のついたブラシのようなものでタクシーの外側を掃き、白い手袋をしていたのを覚えています。清潔さは今も変わらない日本の特徴だということを報告したいと思います。道路にはゴミが落ちていませんし、車はピカピカで、プロの運転手は今も手袋を着けています。

 日本は安全な国でもあります。手荷物を置き放っしにすることを勧めているわけではありませんが、広島駅で荷物から少しだけ目を離した際も無事でしたし、自転車に鍵をかけない人もいます。前回日本を訪れた際も、自転車には鍵がかけられていませんでした。そのことについて質問すると、怪訝な顔をされ、なぜそんなことを聞くのかと言われました。鍵をかけてなければ盗まれるかもしれないと言うと、「自分の物じゃないのに持っていく人がいるのか?」と逆に質問されました。
 集団を重んじ家族への義務と名誉(家族に恥をかかせたくないなど)が、個人および個々のニーズを勝るという根本的な文化の違いに行き着きます。時たまこの文化の違いが異世代間で、そして日本から移住して来た人達との話し合いの場で話題にのぼります。

 日系カナダ人のコミュニティは日本から近年移住した人達、数世代の(戦前と戦後の)日系カナダ人で成り立っています。中でも若い世代の日系カナダ人は度重なる異文化間の結婚でさまざまな民族的起源を持っています。また日系カナダ人のコミュニティは、第二次世界大戦中に西海岸から強制立ち退きを余儀なくされ、地理的に分散しています。私達のコミュニティには数多くの多様性があることを熟慮しなければなりません。

 日本には多くの楽しいことがありますが、私は美味しい食べ物の思い出と素晴らしい経験以上のものを持ち帰りました。私は祖先の文化が私達の日系カナダ人文化に強烈な影響をもたらしてきたことについて理解を深めました。

 グレーター・バンクーバー日系カナダ人協会を代表し、皆様とご家族に新年のご挨拶を申し上げるとともに、ご家族と共に実り多い時間を過ごされること、そして、健やかなご繁栄をお祈り申し上げます。2016年は申年です。サルは、神様との仲介役として知られ、後に、日本の昔話ではいたずら者とされました。サルは利口で好奇心があるとみなされていますので、私は新年が学びと経験で充実した年になるよう願っています。

 多くの皆さんが、楽しかった2015年の第1回日系カナダ人資金調達ボーリング大会を覚えていると思います。2016年2月21日(日)の第2回日系カナダ人資金調達ボーリング大会にご参加ください。家族全員で楽しむことができ、グレーター・バンクーバー日系カナダ人協会「月報」への支援となります。この「月報」内の広告をご覧ください。「月報」のウェブサイト(http://jccabulletin-geppo.ca/jcca-community-bowl-a-thon/)に申し込み用紙がありますのでご利用ください。申し込み締切は2月1日です。皆様のご支援に感謝します。

(文:ロレーン・及川 訳:斉藤雅子)