Meets: 鈴木康平くん Magic Lamp

 走馬灯(影絵が回転しながら写るように細工された灯籠。回り灯籠)をモダンで可愛らしいデザインにした『Magic Lamp』を作っている康平くんにインタビューしてみました。

「インタビューは初じゃないですかね」とちょっと照れながらインタビューは始まりました。

Magic Lampは今年創業30周年記念なんです。

ー30周年にあたってイベント的な何かしました?

  それが何かやろうとは思ってたんですが結局時間に追われて何もできず…

ーよく映画祭でお会いましたよね。お互いに時間に追われて忙しかったって…なにしてた?

  映画観て忙しかった〜!(お互い笑)

 叔父と叔母が1989年から『Magic Lamp』を始めました。僕は今年の春から事業を引き継ぎました。

 ー春から社長ですね(笑)

 社長はやめてくださーい(笑)

ー自分ごとですが、26年前にバンクーバーに来てでアート活動を始めた時に、ギャラリーやお店に売り込みにいくと必ずと言っていいほど『Magic Lamp』を見ましたよ。

  現在バンクーバーではPaper-yaとSasaki Art Galleryに置いて頂いてます。

ーアーティストのお二人が始めたのに『Magic Lamp』は売れたよね~

 そうですね笑 叔父も叔母はアーティストと言うより自由人で色々な国に若い頃から住んでいまして、アーティストの方や色々な友達がいてMagic Lampを始めて時にたまたま遊びに来た友達の紹介でとても親切なディストリビューター方と出会いその方のおかげでアメリカで売り出されたんです。なので小売はいまだにアメリカが多いです。カナダはトロントとモントリオールで取り扱って頂いてます。あとはネットでも売っています。

ーウェブサイトもリニューアルしたんですよね。康平くんが社長になってから(笑)

 いじるのやめてください(笑)元々Magic Lampの動画や写真の素材があったのでそれを元に動画を作って載せたりとちょこちょこウェブはいじってます。

ー動画も作るんだ?映像関係の仕事をやっていたの?

 作る方ではなくて出る方でノ実は18歳からに25、26歳まで役者やってました。

 19歳の時に蜷川幸雄さん(日本の演出家、 映画監督、俳優)が学長なさってた時に桐朋学園芸術短期大学で演劇を学びました。その後東京の下北沢を中心に演劇をやってまして、色々なご縁で早稲田大学の映画チームの方に声をかけてもらって主演で短編映画に出演させてもらいました。その時にまだデビューしたばかりの安藤サクラさんとも共演させてもらいました。

ーすごいじゃないですか~!安藤サクラ(父は映画監督で俳優の奥田瑛二、母はコメンテーター、エッセイストの安藤和津、姉は映画監督の安藤モモ子)さん、去年の映画祭『万引き家族』にも出ていて大好きな女優さんです。康平くんが映画が好きなのも納得。

 本当有難いですね!まさか世界レベルの女優さんと共演できていたなんてご縁に感謝です。

 ーその役者になる夢はどこに?

 元々海外に行きたくって25歳頃を目処にワーホリを使って海外に行こうとは考えていたのですが、8年前の2011年に東京に住んでいた時に3・11東日本大震災が起こって、その時は電車乗っていたのですが車両ごとすごい揺れその後全ての交通機関が止まり家まで歩いて帰らました。その後、東京で生活をしていたのですが余震をはじめニュースで観た津波や原発、東京での計画停電、スーパーから物がなくなるなどの経験を踏まえていろんな事で価値観ががらっと変わったんです。その時に心配した叔母が半年だけでもバンクーバーに来たらいいじゃないと言ってくれたのでいい機会だと思いビジターで6ヶ月来ました。

  バンクーバー滞在後お金貯めるために一旦日本に帰国しました、その時に色々なご縁があり京都に1年ほど住んで電気工事の勉強したり、週末三重で自然農を勉強してました。関西滞在後はすぐにカナダにワーホリで来ようと思ったのですが、これもご縁があり沖縄で一年半住んでインゲン農家で働かせてもらいました笑 そして一生に一度しかチャンスのないワーキングホリデーを使って海外に出たかったので当日28歳だったのですが嫁と一緒に今しかないと思い、ニュージーランド、オーストラリア、そしてカナダへ来ました。

 そうそう嫁と出会いもカナダでのご縁なのですが2011年のビジターでバンクーバーにいた時にソルトスプリングのカイさんという方のファームにログハウスを作るのを手伝っていたんですが…

ー「カイさん」はこのMEETSでも取材しましたよ~。私、そのログハウスに泊まってます。康平くんが携わってたんですね。繋がるな~バンクーバー(笑)

 そのログハウスを一緒に作った方がカイさんのお友達で兵庫に住んでいらっしゃる方なのですがその知り合いのお嬢さんと僕、結婚したんです。

 バンクーバーに住んで3年目になります。まさか結婚して、しかも叔父叔母のビジネスを継ぐっていうのも考えてたんじゃなくてご縁があっての事なので本当にご縁に感謝です。

  今は人生も含めて流れに身を任せるのもありかなぁと思ってます。今後は音楽も役者もバンクーバーでチャンスがあればやってみたいなと思ってます。

  本当にバンクーバーが好きなんですよね!自然も豊かで面白い人たちがいっぱいるので(笑)

『Magic Lamp』は今まであまりバンクーバーで宣伝などはあまりせずに知る人ぞ知ると物だと思うんです。だからまだ伸び代があるなとふんでいます。Magic Lampの日本から取り寄せた和紙とカナダ産の木の温かみがある明かりを見て喜んでもらいたいたと思っています。最近連絡して来てくださって方で30年前にお父さんに買ってもらったMagic Lampを子供の頃から大事に使い続けてくれたその子が今はお母さんになりお子さんにそのまま注ぎたいから手直しして欲しいと連絡くれました。とても嬉しかったです。

ーこれからの活動は?

 30周年と言う事で笑 2ヶ月前か新商品の『Magic Lamp Slim』と言う従来のランプより1インチ小さめのランプでしてパソコンやテーブルの横におけるサイズを作って売り出しました。これからまだ柄のデザインを増やせたらなと思ってます。

後は11月10日の日曜日、ロブソンスクエア、ジャパンマーケットに出店します。

 これからクラフトマーケット、クリスマスマーケットに出していこうと思っていますのでよろしくお願いします。

  デジタルではなく全てハンドメイドで作られている『Magic Lamp』。創業者の康平くんの叔父さん叔母さん、康平くんの人となりが出ているなぁとくるくる回る可愛らしい絵柄を見ながらほっこりしています。クラフトマーケットで見かけたら声をかけてみてください。www.magiclamp.ca

[文と写真:Sleepless Kao