編集後記 2019年11月

KAO (a.k.a. Sleepless Kao)

VIFF国際映画祭は映画三昧

『人間失格』など蜷川ワールド炸裂で面白い作品や樹木希林さんの遺作など今年も心に残る作品がいくつかありました。『江戸あばんぎゃるど』 “Edo Avant Garde”、本当に良かったです。失礼ながらドキュメントだし観なくてもいいかなと最初は思っていたのですが、なぜか私個人のアートサイトからコンタクトをしてきて、丁寧なメールをいただきました。

Photo with Linda Hoaglund Director of “Edo Avant Garde”

リンダ監督の日本の文化とアートへの想いが伝わってきてバンクーバにいながらにして日本の文化を興味深く勉強することができました。アートは『自我』の塊だと思っていたのですが、江戸時代のあえてサインを施さず「無名の作家」として素晴らしい業績を上げる作家魂を見て『自我』を捨てた作品に感銘を受けました。

映画を観終わった後のリンダ監督のQ&Aも映画の内容をさらにわかりやすく解説してくれて、しかも所々ジョークも入り、シリアスなだけではない彼女の人柄が大好きになりました。

彼女のドキュメンタリーはNHKで放映され、これからも作品を観るのが楽しみです。

そしてそんな素敵な文化を持つ日本へ帰国、、、だったのですが

成田空港到着 大雨で鉄道、バス運休の巻

空の上は素晴らしい天気〜と機内でも4本映画を観て良い気になっていたのも束の間、成田エリアは台風で空港に着陸できず上空で待機。あまりにも旋回を繰り返すので気持ち悪くなる。1時間遅れで着陸できたとホッとするも雷のせいで地上乗務員待機。コンソールをくっつけてもらえない。

成田は大パニック

 ロビーはさらに大パニックで、高速道路封鎖のため、タクシーもバスも電車も運休。明日は姪っ子の結婚式があるから帰国したのだけど、これはもう間に合わないか〜っと半ば諦め。

 京成電鉄が成田空港を陸の孤島にしないため、騙し騙し運転を再開。3時間長蛇の列に並んだ甲斐があって最終便で東京方面まで出ることができた。

 ちょっとでも列を離れることもできず、飲まず食わずトイレにも行かずで4時間近く…

いや〜もう、昨日と今日で雲泥の差。

無事出席できて良かったです

とりあえず結婚式に出席のために翌日朝早くの電車で地元に向かう。怒涛のような嵐の一夜を過ごし、東京から直接地元の結婚式場にギリッギリで会場入り。感動のシーンを見ることができて昨夜の辛さも吹っ飛んだ〜。おばちゃん感激。

 地元のお天気はすこぶる良くて昨日の嵐はなんだったんだ?お腹が減っていた分、美味しいものがたくさん食べれました(笑)

ニュースで連日被災地の大変な状況を報道しています。1日も早い復興をと願うばかりです。

Kazuho Yamamoto

9月27日にバンクーバーや世界各地で開催されたグローバル気候マーチに続き、10月27日にもグローバル気候マーチが開催された。10月のマーチではスウェーデンの気候活動家グレタ・トゥーンベリさんがバンクーバーのマーチに参加し、およそ1万5000人が参加したと報道されている。

 このイベントのあった週末、ジャーナリスト・作家・活動家のナオミ・ク

 ラインの講演がバンクーバーであった。彼女の最新作『On Fire: The (Burning) Case for a Green New Deal 』では環境危機がただ単に二酸化炭素の放出だけではなく、問題がその他の社会問題(貧困・移民・人種差別など)とも密に関係しており、現在の環境危機に対する異なるアプローチの必要性が提案されている。

 講演の初めにはBlue River(Secwepemcテリトリー)でトランス・マウンテン・パイプライン中止の活動を行なっているThe Tiny House Warriorsを先導しているカヌース・マニュエルさんが壇上でスピーチを行い、プロテストはRCMPに対してではなく、カナダ政府に対して活動をしているという声明があり、出席者一同がスタンディング・オベーションで賛同した。

 選挙の一票のように、我々一人一人が同じ価値観を持つ他者と団結し活動することによって生み出せる影響力の大きさがここ最近の環境危機マーチ等ではっきりした感がある。そして、次の世代を担う若者たちが先導をきっている事が他の活動とは異なっている。理不尽な社会に立ち向かうための炎、個々人が持っている炎が燃え始めた。とナオミ・クラインは言っていた。今のままでは失われてしまうかもしれないバンクーバーの紅葉。赤々と色づいたメープルの木を眺めながら自分の炎について考えさせられた。