編集後記 2019年7月

KAO (a.k.a. Sleepless Kao)

 東京に行く度に世界をまたにかけて活躍している漫画家でアーティストの寺田克也さんとソニックを作ったゲームデザイナーの安原さんを呼び出してはご飯を食べに行ってもらってるのですが、「原稿(Meets)落としそうなんでここで取材していいですか?」と懇願してみるも見事断られたのでここ編集後記に書いてみる(笑)

 今回、日本に一時帰国は家族の介護もあったのですが、昔から憧れていた青山にある「スペースユイ」というギャラリーで自身の個展の話を進めるべく東京入りしたわけです。今から一番早い予約で2年待ち。さすがです。オーナーのお眼鏡に叶わなければ展覧会ができないのでその点はなんとかクリアーできました。

 ロサンゼルスで知り合ったオードリー川崎さんもこのギャラリーで個展をしたのですが、オーナー曰く1週間で一千万円以上を売り上げたそうです。購入者はほぼ海外の人で、ネットで作品をプレビューできるシステムを組んで、オープニング前にほぼ完売したそうです。オリジナル作品が一点100万円すれば10点で一千万円越え…。

け、桁が違いすぎる…その話を寺田さんとの飲みの席で話すと「まぁでもね、お金を作り出すってことはそれだけ出ていくものも大きいものでね…エージェントやらシッピングやら…色々ですよ。一千万超えの収入を得るのはアーティスト、1人では出来ないわなぁ」

「あとね、浪費グセがついちゃうとそれを変えるのは容易ではないよね。天地真理はファンの方々の支えで大金を援助されて老人ホームにいるけど、お金があるとパッと使っちゃうから娘に預けるんだってよ」

 話が逸れましたが(汗笑)世界を股にかけて活動している人たちの話は面白い(すごくためになる話もいっぱいされたのですが、なぜか天地真理のくだりしか覚えがない笑)

 わたしはわたしのできることをするしかないので売れても売れなくても描き続けますが、一千万円を作り出す気分てどんななのだろうと気になります。果たしてそれほどになった時、純粋な気持ちで絵を描き続けられるのかしら?

 

Kazuho Yamamoto

六月末、アメリカのトランプ政権が最大で1400名の移民児童をオクラホマ州のフォート・シルの軍事基地に7月から収容するという計画がアメリカ合衆国保険福祉省の関係者から発表された。この軍事基地は第二次世界大戦中に日系アメリカ人が強制収容された場所であり、オバマ政権の際にも移民児童が収容された場所だ。

このニュースが発表されてすぐに強制収容を幼少時代に経験した日系アメリカ人、日系アメリカ人コミュニティーが現

 地に集まり、デモが行われた。メディアの前で強制収容を経験した人々が支援者と共にスピーチを行う非暴力的なデモだったのだが、警察・軍関係者がスピーチの中断を試み、デモを別の場所に移動させようとした。参加者達は逮捕も覚悟の上で、その場を動かずにスピーチを続けた。実際に強制収容を経験した人々からの声明「アメリカ政府の難民・移民に対する対応は第二次世界大戦中の強制収容に値する。歴史を二度と繰り返すな」はとても強力に感じた。ビデオでこの様子を見たのだが、警察・軍関係者の対応はとても冷酷で、怒りの感情が込み上げた。

この施設はかつてアメリカ先住民も収容された場所であり、日系人だけではなく、先住民の血を引く人々、移民・難民団体関係者も支援を表明し、デモ活動は日系アメリカ人コミュニティーの域を超えて続けられている。

筆者は『げっぽう』やその他の日系カナダ人団体での仕事を通じて日系カナダ人の強制収容の歴史について知る機会を得た。今でも日系カナダ人コミュニティーの人々や資料から日々学ばせてもらっている。戦後の移民として、カナダの日系カナダ人の歴史を知ること、発信していくことは我々の責務だと思う。そして、今現在アメリカで起こっていることは他人事と思ってはならない。カナダに住む日本人として読者の皆さんもそう思って欲しい。

追記:活動の様子はフェイスブックまたはインスタグラムで「Tsuru For Solidarity」を検索。上記で説明したデモの様子はDemocracy Now(democracynow.org)のウェブサイトまたはYou Tubeで見ることができる。