編集後記 2018年12月

KAO (a.k.a. SleeplessKao)

「アート展と理不尽と」

 バンクーバーに拠点を置くファッションデザイナーのテリーさんを筆頭に、カナダのアーティスト仲間たちと東京は新橋のATOM CS TOWERでグループ展のために日本へ帰国。バンクーバーから静岡のギャラリーカフェに自身のアート作品を取りに戻り、東京のギャラリーに作品を送る間もなかったので重たい荷物を自身で持ってとんぼ返りで東京へ。こ、腰がもう悲鳴をあげ…アーティストは体力勝負だとつくづく思いました(汗)

 この時期カナダからの一時帰国者も多く、またはバンクーバーにワーホリで来ていた人たちなど見知った顔が会場でたくさん見受けられ(ここはどこだ?)状態になりました。オープニングレセプションでは、『Meets』のページでも取材した作詞作曲家の江崎とし子さんや宙丸くんもパフォーマンスを披露し、4日間のグループ展は大盛況でした。

 会期中は訪れる皆さん、手土産持参(しかも美味しい銘菓ばかり!)お菓子好きの私は、もぐもぐしながら仕事をしていて、テリーさんに「かおちゃん、そんなに食べて血糖値上がるよ」と言われるほどでした (苦笑)

 ご存知と思いますが、 北米での展覧会は主催者側が料理なりワインを用意して、訪れる人は見に来るだけというのが主流です。こういうところで文化の違いを垣間見たりしますね。

 文化の違いで「理不尽」な出来事が!

 ようやく自分の時間を持つことができ、地元のヨーカ堂でお買い物をした時のこと、キャッシャーで免税申告がサービスカウンターでできると聞いたので、額も額だったので一旦家に戻りパスポートを持参して再来店。パスポートを見せると「入国時のスタンプがないので免税対応は致しかねます」と断られた。

 先日はユニクロでちゃんと対応してもらった旨を伝えると、厳密にはユニクロと私がルール違反であると逆に批判をされました。

要するに自動ゲートで入国してスタンプを貰っていない場合は免税対象外になるという…。そういえば成田で、係員に誘導されるまま自動ゲートを通ったっけ…。私のように知らずに入国した外国の方も多いはず。勝手にシステムを変えておいて知らない私が悪いような言われ様はあまりにも理不尽です。

 免税には店側が処理する伝票に上陸年月日を記入する欄があります(上陸後6ヶ月を経過したら免税で販売できないため)これを証明するには一般的には帰国証印の押捺されたパスポートしかありません。或いは法務大臣宛に個人情報の開示請求をし開示されたら上陸日(帰国日)は証明できることになるので、ルール違反とまで言われる筋はないように思います。ユニクロではiPhoneの中のパスポートアプリに入っている航空券の提示を求められただけでした。思うに…こういうところを見てもグローバルに展開するユニクロと国内だけに展開する店舗との違いがあるように感じるのです。結局ヨーカ堂のサービスカウンターでは散々待たされた挙句、うわべだけの「申し訳ございません」で一掃されました。

 この私、ただで帰るわけもなく捨てゼリフに「臨機応変さがない体制にがっかりです。私が言わなくても(書いてるけど笑)SNSで配信されるかもですよ」と満面の笑みを返しました。ホント、勝気な性格ですみません。少しは日本人の慎ましやかさを見習わなければ…(苦笑) 

*ちなみに自動化ゲート利用でも出国・帰国証印を押捺してもらうことは可能です。ゲート通過直後のカウンターの職員(不在時は入管事務所にいる職員)に一言頼むだけですぐに押してくれます。免税を利用しようとしている皆様、トラブルなきよう日本に入国の際には気をつけてください。

Kazuho Yamamoto

 突然母から「天皇陛下がうちの家の前を車で通ると警察官がわざわざ教えに来てくれました」とメールが来ました。その天皇陛下、来年4月30日に退位され、皇太子様が翌5月1日に即位されることが正式に決まっています。いよいよ「平成」が31年で幕を閉じることになります。今から30年前、小渕恵三官房長官が記者会見室で、「平成」と墨で書かれた生乾きの2文字を掲げ、平成が始まりました。その頃は子供だったのでそれ以外に改元でどのようなことがあったか全く知りませんでした。今回は退位に関連した政治やその他の影響についてのニュースを興味深く読んでいます。

 日本マイクロソフトは退位が発表されてすぐに新元号対応に関するサポート情報のブログを開設。退位によって祝日に変化も出ますが、それがまだ決定していないためカレンダーや手帳のメーカー各社はそれに対応した商品を製造、販売するのに苦戦しているようです。また、日本の申し込みの書類の誕生日欄、自分の生まれた元号に丸をつけたりしますよね。そうした書類の更新などこれから色々な分野で新元号の対応が必要になってくると思います。

 新しい歴史が刻まれるとなると、学校の教科書にも加筆、改訂が必要になります。今の教科書、私が学生時代にはなかった情報がいっぱい増えていると思います。そして、これから歴史を勉強していく子供・学生は来年の天皇陛下退位、新元号も学ぶことになるでしょう。今の受験生が記憶しないといけない量、私の学生時代よりも多いのではないでしょうか。あるいは、学習量はそのままで、教えられる情報の取捨選択がされるのでしょうか。

 カナダで生活していると西暦での生活ですが、今回の天皇陛下退位のニュースで自分の元号に対する意識を再確認しました。幼少時代から今までを過ごした平成が終わるのは何だかノスタルジックです。「あの子は平成生まれだよー。若いねー」なんて話していたのがつい最近のことのように思えます。これからは「新元号」でこうした話をするようになっていきますね。