編集後記 2018年9月

Kazuho Yamamoto

 シアトルに拠点を置くValveコーポレーションのビデオゲーム「DOTA2」の大会、第8回The Internationalがロジャース・アリーナで5日間開催されました。これまでシアトルのキー・アリーナで開催されてきたイベントですが、アリーナのリノベーションのため今年はバンクーバーに移転し決行されました。

 この大会はeスポーツと言うジャンルに属していて、スポーツ競技として考えられ、観戦もされます。日本人でありながら、ビデオゲームとはかけ離れた人生を送ってきた私にとっては全く新しい世界でした。

 他のスポーツ競技のようにコメンテーターが熱い実況中継を送り、試合後にはコメンテーターがダイジェストの放送。ホッケーや野球の試合を見ているのとまるで同じ感覚です。

 大きな違いと言えば賞金の額でしょうか。今回優勝したチームOGは11,190,149ドルの賞金を受け取りました。チームのメンバーは何と18歳から20代後半の若者たちです!

 また、会場のセットアップもすごかったです。チケットをスキャンではなくチップの入ったカードをコンパスカードのように機械にかざして入退場でした。中に入ると東西南北からゲームの様子が見える巨大スクリーン、ステージの床はLEDスクリーン、観客のリストバンドがコントロール

され点灯するタイミングや色がゲームの状況で変わりました。オンラインストリーミングでは各プレイヤーの選んだヒーローのアバターが生放送で加工され、ステージに追加されていました。テクノロジーが重要な要素を占めるこの競技を影で支えるハイテク技術チームのプレッシャーはままならないと思います。

 グランド・ファイナルの25日は朝からストリーミングで観戦し、午後は会場に行って最後まで観てきました。ゲームの詳細を100%は理解できなかったのですが、観客の熱い声援、実況中継、ゲームの合間のインタビューなどで気分が高揚してグランド・ファイナルが始まった際には手に汗を握ってドキドキしながら見ていました。他のスポーツ観戦と同様、感情的にならずにはいられません!

 The Internationalの過去参加チームの出身国を見ていて驚いたのは中国や韓国からの参加はあるのですが、日本からの参加がないということ。というのも、日本は先進国の中でも数少ないeスポーツ未承認国らしいです。法律との兼ね合いで高額な賞金などが問題になっている様子。しかし、今年の2月に日本eスポーツ連合が発足しました。老若男女問わずビデオゲーム人口が存在する日本。この業界が日本でも規制緩和され発達していくことは間違いないと思います。

KAO (a.k.a. SleeplessKao)

 大好きな作家さんのひとりである「さくらももこさん」亡くなったんですね。

 みなさんもご存知の漫画「ちびまる子ちゃん」を描いた作家さんで、8月15日に乳がんで亡くなったと報じられました。53歳という若さです。

 4月に乳がんで彼女と同じ年の姉(と、慕っていた従姉妹)を亡くなしたので他人事でない想いです。

 私はさくらももこさんとジェネレーションも同じ、出身も一緒の静岡ということで『地元あるある』も多々あり、親近感を持って「ちびまる子ちゃん」を漫画やアニメーションで楽しんでいました。

 『ハッと気がつくと8月31日。観察日記をつけるはずのヘチマはとっくに枯れてるし、ちょっとトボケたオジイちゃんまで動員して夏休みの宿題をやってもらう』

 テーマは夏休みの宿題を始め、学級委員の選挙や、お誕生日会、200円以内って決められた遠足のオヤツを買う話など、誰が読んでも「あ、そういえばそんなことあったな」って思うような話ばかりで子供時代を思い出して「ほのぼの」します。

 作者のさくらももこさん自身が「モデルは私」と、漫画の主人公とペンネームが同姓同名というのは斬新です。漫画以外の分野でも活躍されて『もものかんづめ』に代表するエッセイ集3部作は、すべてミリオンセラー。私も本が出た当時に3作買って読みました。クラスメートたちの家でも一冊は本棚にあったほど大人気でした。ちなみにKAZUHOも実家に全部そろってる(カバー紛失で売りにだせないため)そうです。

 自分もクリエイトする仕事に携わっているので、末長く愛される作品を作ってきた「さくらももこさん」の新しい作品が見られないのは本当に残念です。

  心からご冥福をお祈りします。