編集後記 2018年7月

Kazuho Yamamoto

 カオさんも、わたしも編集後記を飛行機の中で書いています。と言っても一緒の旅行ではなく、別々の旅からの帰り道です。カオさんは日本からの帰路、わたしはトロントからの帰路です。(カオさんの旅の詳細は下の編集後記をご覧ください。)

 私はカナダデーの連休を利用して、トロントに観光旅行。今回で二回目の訪問です。一回目は当時働いていた仕事のコンフェレンスで行ったため、コンベンションセンターとホテルの行き来でほとんど観光をすることはできませんでした。

 今回は観光客100%!

 ちょうど熱波にあたり、毎日30度を超える日々で湿度も高くまるで日本の夏のような気候でした。カナダに来て以来、夏に日本に帰国はしていません。バンクーバーの暑くても湿度のないカラッとした気候に甘やかされてはや10年!今回のトロントの暑さは日本に比べたら湿度も低かったのですが、熱波免疫力の低下(笑)で始めの数日は久々の暑さと冷房との温度差の体温調節でヘトヘトになりました。

 地下鉄で電車を待っている時に、プラットフォームにモワーンとした風が吹き、電車が到着してドアが開くと中からヒヤヒヤの冷房の風が溢れてきて急ぎ足で暑さから中に避難する。熱でほてった体が冷えたかと思えば、今度は冷えすぎて寒い!そして電車を降りたらまた熱波との戦い。名古屋時代にJR線・東山線のプラットフォームで電車通勤・通学していた当時の感覚がフラッシュバックしました。

 街を歩いていると無印、ユニクロ、てつおじさんのチーズケーキの袋を持って歩いている人をちらほら見かけました。その他にも、辻利の抹茶カフェ、パブロのチーズケーキもトロントにありました。昔英語ができない日本人のジョークで「トーヨーター(トヨタ)、ソーニィー(ソニー)、ヤーマーハー(ヤマハ)」なんて世界に進出しているブランド名を言うというのがありましたが、「ムージー(無印)、ユニークロ(ユニクロ)、ツジーリ(辻利)」がこのジョークを置き換えるブランド名になのかもしれません。

 また、他にも「スーシー(寿司)、カラオーケー(カラオケ)、テンプーラー(天ぷら)」といったブランドではありませんが海外でも愛されている品々の数々を言うというバージョンもありましたよね。バンクーバーや今回のトロント観光での考察からこのジョークを最新版に更新するとしたら「マッチャ(抹茶)、ラァメン(ラーメン)、カワーイイ(かわいい)」などでしょうか…

KAO (a.k.a. SleeplessKao)

 学校の仕事が一段落したのでまたもや日本に行ってきました。

地元にて黒板アートにチャレンジしてきました .「富士山の見える海岸でバンクーバーから飛んでくる女の子を待つ」というお話の絵

 成田空港でバンクーバーに戻る帰りの飛行機を待つべく 編集後記を書いていたら、とつぜん名前を呼ばれたので振り返ると、バンクーバーの友人が立っておりました。彼女は今月号「働きing」で取材した峰岸伸輔さんとも知り合いのアーティストです。日本とインドと韓国でアートの仕事をしてバンクーバーに帰るところだそうで、「峰岸さんといいアーティストは元気だなぁ」と言うと、「KAOちゃんも相当元気に飛び回ってると思うよ」と言われました。

 自分ではそんなに飛び回ってる気はしないのですが、今回は地元にあるカフェレストランの壁一面の黒板に絵を描くという仕事、そして依頼されたポートレートの絵を届けるという名目で大阪にも行き、食い倒れてきました。大阪の3Dに飛び出た看板やネオンには何度この街を訪れても度肝を抜かれます。看板一つとっても『笑い』を取ろうとするあの精神、お見それいたします。

 駐車場では鳥居の絵の下に「小便するな」の文字。初めて見た、と大阪の友人に告げると、「鳥居が描かれていれば、粗相をしないだろうと大阪人は考える」と言う。いやいや、鳥居がなくても外で粗相をしてはダメでしょう(笑)

 それにしても日本にはそこここと都会のど真ん中や町や村、誰も来ないような山奥にも鳥居があるなと気づく。神域と俗界を区画する結界(鳥居) が張られてますが、手と口を水で清めたら(そのまま素通りの人もいますが)いつでも神の国へ行く門を行き来できるのですね。

貴船神社にて「茅の輪くぐり」 和歌を唱えながら左右左と回り、罪や穢れを祓う

 せっかくなので京都まで足を伸ばし、貴船神社でお参りをした後に「川床」 (納涼のため河の上に設けた桟敷)で水の流れる音を聴きながらの食事。都会の暑さとは違い、静閑な雰囲気を堪能しました。

 日本での夏祭りシーズンは逃しましたが、バンクーバーではもうすぐパウエル祭がやってきます。自分のブースを持ってアートを出品するのも今年で25年目です。見かけたらぜひ声をかけてくださいね。「げっぽう」の感想などお聞かせください。

 では暑い夏、脱水症状などに気をつけて楽しい夏のイベントを満喫してください。