働きing:加藤 龍太

今回は俳優業をしている加藤 龍太さんにお話を伺いました。

 加藤 龍太さんはTVドラマのArrowiZombie、ディズニー映画のNoelleに出演していて、最近では浅野忠信さんも出演しているMidwayという映画にも出ている俳優さんです

Ryuta Kato

—どのような活動をしていますか?

 バックグラウンドの事務所に所属して撮影のない日はウエイターをしています。

—バンクーバーに来る前は何をしていましたか?

 アメリカで5年、演劇の勉強をしていました。

 その後、カナダに来てワーホリ1年を経験してロンドンでもワーホリを半年、そこでもアクティングを勉強していたのですが、テロが起こった為ひとまず日本に帰ることになり、当時遠距離交際をしていた彼女と結婚しました。彼女も僕もカナダで移民権を取得したのでカナダベースで活動していこうと頑張っています。

—子供の頃から役者になろうと思ってたのでしょうか?

 いえ、日本の大学では専攻は経済学でした。大学で映画部に入ったんですが撮る側だったんです。 ちょうどフィルムがデジタルになるぐらいの時期で、撮るのにのめり込んで4年間は映画漬けの日々でした。そうこうするうちに先輩方は就職。さて自分はどうするか、、、。

 在学中に2年間、広告代理店で仕事をした経験があったのですが、自分の将来を考えた時に、やっぱり映像に携わる仕事がしたいと強く想い、親に相談したところ、やるならとことんやりなさいと言ってもらえたので、大学卒業後就職活動はせずにアメリカに渡りました。

—理解あるご両親でラッキーでしたね。

 はい。父親は若い頃ミュージシャン志望だったんです。母も通訳になりたかったみたいで、だから僕の夢にも理解があったのだと思います。

 父親が無類の映画好きで指定席を取って映画館に映画を観に行く人でした。自分の言葉で伝えることはしなかったけど、映画を通して父親は僕に何かを語りかけていたんだと思います。そういうのも相まって幼い頃から親の思想を受けてたのは確かですね。

 幼少時は引越しが多かったので人見知りなのに変に強がっていたのでよくいじめられました。そういう中で観たヒューマンドラマ系の映画が心に刺さったんです。自分が人間関係で悩んでいたのを映画によって助けられたので、今度は作る側になって恩返ししたいなと思っていました。

—アメリカに行くには何か伝があったのでしょうか?

 いえ何も。学校の目星はつけずにとりあえずアメリカ行きました。

—それはなんとも度胸があるというか無鉄砲というか(笑)

 (笑)最初は映像関係の勉強をしようと思ってたんですよ。どっちかというとシャイな性格なので裏方の仕事に携わってできれば人前に出たくなかったんです。

—それがなぜ?

 一番大きかったのは、アメリカに行って役者の学校に入ったことですね。

元々は監督志望だったのですが、先輩に役者の考え方を学ぶのに半年ぐらいアクティングスクールに行ったらと言われて、監督の仕事に生かせるし英語の勉強にもなるかなと通ったのが始めです。

 とにかくスクールが楽しかったんです。伝えたいことが伝わった時の快感、達成感が面白い。役者として伝える達成感もあるんだなとこの時知りました。

 毎日挑戦の連続でした。最初はみんなが英語で何を言ってるかさっぱりわかりませんでした。アドリブ系とか、話す演技は全くついていけなかったですね。コメディの授業ではコミカルな動きでは笑わせるけれど言葉で笑わすとかは全くダメで…。2年半でやっとついていけるようになりました。                                                       

—どのように英語が話せるようになったのでしょうか?

 日本で英語の成績はボロボロだったのでアメリカに行った当時はどうやって勉強したらいいのかもわかりませんでした。とりあえず友達を作って、、、好きな映画を何度も見て字幕を全部ノートに書き写しました。友達に英語の発音を直してもらったりして映画のセリフは全部覚えましたよ。

—役者の仕事で大変なことはどんなことですか?

 郊外で撮影することが多いので朝の5時半にデルタやスティーブストンに集合とか体力勝負です。僕は車を持っていないので遅れないように前の日の終電2時のデルタ着に乗ります。24時間営業しているカフェなどはないので、24時間営業のガソリンスタンドのカウンターで3時間時間をつぶして、日が出ててからスケボーで現場入り何てことがしょっちゅーです。

—撮影も待ち時間が多そうですね?

 ラップトップを持って行って、待ち時間は映画を見たり、役者の事務所を探し中なのでレジメを作ったりしています。他にも翻訳の仕事をしているので結構時間は潰せます。

—人見知りということですが、人前で演技は大丈夫なんですか?

 いや〜伝えたいことがあるから(笑)

—かっこいいですね〜(笑)

(笑)いえいえ、毎回緊張はするんですけど、スクールで一回精神をフラットにするリラクゼーションも学びます。僕はどちらかというとしっかり準備をして撮影や舞台に臨むタイプです。

—個人的に気になっているのですが、役者の仕事は演じていて気持ちが引きずられませんか?例えば恋愛ものとかはどんなんでしょう?

 スクールでは演じてる時とカットがかかった後は分けなさいと習いました。脚本のおかげで2人は恋人同士なのであって、勝手に進まないでと。

—そういうのも習うんですね。

 感情を引きずるのはアンヘルシーだと習いましたが、ハリウッドでは往々にしてゴシップが横行してますよね。そういうのは単に役者たちがその状況を楽しんでるのだと思いますよ(笑)

—将来は?

 フルハウス、フレンズなどのSIT-COM(situation comedy)TVドラマに出たいです。HeroのMASHIOKAさんみたいな癖のある日本人の役もやってみたいですね。

 役者の方でキャリアを積んでゆくゆくは監督もやりたい。

He is in a recent movie Midway(2019) Please check IMDb

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IMDb/Ryuta Kato

[文:Sleepless Kao