移住者の活躍する団体「日系春桜祭り」

 早咲きの彼岸桜がお雛様を飾る頃にV市に開花し始め、一足早い春の訪れに心浮き♪春こうろうの 花のえん-今年の「桜祭り」は4月11日、12日に日本紹介じゃぱんフェアが開かれる。
「桜祭りの歴史」
 1930年に横浜市と神戸市から『第1次世界大戦』に参戦した『日系加奈陀人』のために送られた。日系カナダ義勇兵(アルバータ州連隊)BC州の日系志願者196名はアルバータ州でカナダ軍に参加した。ヴィミーリッジなど西部戦線に派遣された。54名戦死、93名戦傷、無事に帰国したのは49名であった。従事者に選挙権を含む市民権が認められたのは1931年だった。スタンレー公園に植えられた500本の桜は日系戦没者記念碑を守るように植えられている。その後、街路地樹や地域公園、市民宅に植えられ、年を重ねて植え続けられて4万本以上となった。
「日系人戦没者記念碑」
 大戦終結2年後1920年に戦死者慰霊、顕彰のための記念碑が有志寄付金によってスタンレー公園の中に建設された。この年、ヴィミーリッジ戦記念日の4月9日に除幕式が行われ2000人の参加者があった。この記念碑の前で第1次大戦終結記念日(独休戦条約調印)11月11日には日系有志による日系人第1、第2次世界大戦への貢献記念する行事が行われている。
「リンダぽーる女史」
 V市桜祭りはスタンレー公園の桜の歴史と花見のような『桜を愛でる』企画開発(VCBF)を考案したリンダぽーる女史により2005年に始まった。2009年から『日系6団体』が実行委員会を結成しVCBFと共催、『桜をテーマ』にし日本文化や地元の日系ビジネスを紹介する企画を導入している。
「東北大地震復興支援」
 一日も早い復興祈願『with you Japan』(日本とトモに)を伝言作成し、2014年4月には来場者が伝言と一諸に写した画像がホームページに載り、支援をIT情報関連で送った。開会式には在バンクーバー日本国、当時領事伊藤秀樹氏の挨拶、桜まつり俳句、芸術作品担当ジェーンでらんて女史、VCBFリンダぽーる理事、ジャパンフェア実行委員会・共同委員長の塚本隆氏が挨拶した。特設舞台で獅子舞が披露された。 紙芝居、折り紙実演、日本舞踊、浴衣体験、茶道、華道、合唱、コスプレ、剣道、柔道の他に25商店、非営利事業団体の参加もあった。日本地酒協同組合による9種類酒の試味に長列ができた。実行委員会によるとバンデューセン植物園での2日間の入場者は約7200人、会場2募金箱、参加商店、団体による義援金(収益金)2万9000ドルは6月9日に塚本氏とトーマス氏によって在バンクーバー日本国領事館に届けられた。
「ジャパンフェア実行委員会」
 主団体はバンクーバー懇話会、企友会(バンクーバー日系ビジネス協会)、バンクーバー木曜会、日加商工会議所で支援団体が日加協会、日系女性起業家協会(JWBA)の6団体である。
桜祭りホームページ   http://www.vcbf.ca/
「桜情報」
 BC和歌山県人会が誇る『スティブストンを彩る255本の桜』、UBCキャンパスと新渡戸記念庭園には桃色花の華やか寒山、白大輪花の白普賢、ボタ二カル庭園の太白、チャンセンターのソメイヨシノ、ばいおサイエンスろーど近辺の枝の先端束状に淡紅色の花が咲く『糸括』がある。
 エリザベス公園は1939年に現英国女王の両親、ジョージ6世とエリザベス王妃の来訪記念して造園された。寒山、ソメイヨシノ、曙、ウミネコ桜、白普賢が植樹されている。バラード駅の曙、ダウンタウンは寒山、白普賢、曙、淡い紅色花のアマノガワ、ウィットコム、ショウゲツ 高砂、白妙、ケリスデールの桜街路樹の薄緑花のウコン、B市バーナビーマウンテンSFUキャンパスのある標高370メートルに植樹された白普賢、B市姉妹都市の釧路市寄贈『トーテムポールとソメイヨシノ』今年で60周年を祝い友好釧路市長と名誉市民が7月に来訪する。
「V市記念日宣言・The World in Burnaby」
 B市が世界で多文化的都市としての活動をしているので2月8日を『文化の多様性を尊ぶ日』を宣言した。B市生まれ、育ちを自認する福祉活動ファミリーライフ代表ファイク氏は『出身国は150ヵ国に及び120ヵ国語が使用されている』2006年に80名が参加した会議からB市異文化間事業審議会が誕生した。『友好的な自治体』の着想から生まれた『ワールド・イン・バーナビー』がある。移住者支援:www.worldinburnaby.com
「北欧夏至祭・ミッドサマー・フェスティバル」
 ノルウェー漁業組合の休息所が1966年に地元北欧移民者の有志によりコミュ二テー・センターとなり北欧代表4ヵ国の部屋が設けられた。ノルウェー語、スウェーデン語、フィンランド語、デンマーク語の教育、文化交流が盛んである。その後、アイスランドが加わり5ヵ国共同運営となった。BC州での北欧夏至祭りは1986から継続していて、2011年は『日本国』が紹介された。16世紀にドイツで短い夏を祝う祭りが北欧に伝わりスウェ-デンから広まった。木の柱を草花で飾り、民族衣装の市民がその周りを音楽に合わせて踊り、余興やご馳走を楽しみ、大人気の『嫁担ぎ競争』が行われる。優勝者は奥さんと同じ重さの『カルルスバーグ・ビール』が貰える。前夜祭はフィンランド主催のマラソン大会が行われた。カナダ、ノルウェー、スェーデン、アイスランド、フィンランドからの選手が参加した。開会式には各国の女性達が民族衣装で国旗と共に入場、日本代表NAVコーラスが『おおカナダ』を歌った。在バンクーバー総領事館、日系団体による日本案内や文化紹介、和食販売があり13,500人の参加者があった。
「ノルウェー・アイランド・島女・森瑤子(1978-1993)」
 ジョージア海峡の間に200の島がある。芸術家・アート愛好家や詩人の集落がある、カナダを代表する写実絵画家・ロバートべいつまん氏が住むソルト・スプリング・アイランドの隣の島はノルウェー島と呼ばれている。1990年当時は『流行作家』日本女性が『島女主人』であった。
 森瑤子の別荘のある小島が彼の隣の島だった。ヴァイオリンの道から広告会社、国際結婚、子育て、家庭と職業婦人の両立、『作家・森瑤子』15年間で出版された本は代表作『情事』1978年から1993年までに96冊であった。1993年7月3日、永眠、享年52歳。
「日系春桜祭り・4月11日、18日・日系プレ-ス」
 ♪さくら さくら 弥生の空は 見渡す限り 霞か 雲か 匂いぞ いずる
 いざや いざや  見に ゆーかん
 今年の日系プレース、春桜祭りはゲスト国が『北欧』でデンマークの『チボリシンガール』の合唱団とスェーデンとフィンランド加奈陀移民団員結成の『runeberg』合唱団が日本語で歌う『さくら』の他にノルウェー主催の北欧の民族衣装や楽器、民謡踊りが紹介される。北欧移民の歴史が写真によって展示される。詳細:info@nikkeiplace.org
「北欧夏至祭・石村安志さん」
 京都市出身の石村さんは1975年に北欧旅行に出発し翌年、カナダのトロントに15年在住、1990年から電子機械関係社に勤務しスカンディナビアン・コミュニティ・センターで11年間フィンランド友好会に属している。2010年に北欧夏至祭の企画で恵子アレクサンダーさんとNAVコーラスが出演、翌年のゲスト国に『日本』が選ばれた。『ルナバーグ』合唱団員の石村さんはドイツ民謡の『ローレライ』をフィンランド語で歌い、ロシア民謡の『グミの木』をノルウェー語で歌ったりする。坂本九の『スキヤキ』を北欧語で歌ったこともある。
「花は咲く」
 東日本大地震の復興支援歌『花は咲く』がBC州に流れている。2月28日、訪日中の英国ウィリアム王子が被災した福島県を訪れた。安部首相や関係者20人と共に本宮市児童施設で歓迎会が開かれた。『復興への祈り』を込め『記念植樹』作業が行われた。
「関連月報記事」
2014年8月号78頁の『世界大戦と日本、そしてカナダ日系人』、2011年6月号48頁『スカンジナビアン・ミッドサマー・フェスティバル、北欧夏至祭』

[文・天野美恵子]