何でも好奇心「背番号11-朝日野球軍」

1946年にバンクーバー市と横浜市が姉妹都市となった。2014年10月11日に結成された日系少年野球軍は3月5日から11日間、日本へ遠征し帰加した。

「少年野球・新朝日」
映画『バンクーバー朝日』上演後、13歳から15歳の日系少年で構成された野球軍『新朝日』が結成された。2014年10月11日にはCanadian Nikkei Youth Baseball Club主催により、B市ロバート・バーナビー公園で記念試合が行われた。新朝日は第6区カナダと対戦した。開会式には元朝日軍のケイ上西氏、グレース・トムソン氏、山本なおみBC州大臣、岡田誠司総領事が出席した。岡田総領事と上西氏が始球式に臨んだ。
新朝日shin.asahi.baseball@gmail.com
朝日軍情報フェイスブックCanadian Nikkei Youth Baseball またはCNYBC参照

「新朝日支援者」
2014年9月、ジャシュ・カワードさんの呼びかけで、エミコ安藤さん、サミー高橋さん、福村十三朗さん、ジョン・ウォンさん、小川学さんがチーム結成の努力活動に乗り出した。岡田誠司総領事が協力支援し、選手と両親、親戚、友達そして日系社会の『希望の和』絆となった。
「伝説の日系人野球・朝日軍」
2014 年は朝日野球軍結成から100年目で『朝日軍愛好支援1990年企画』日加友好支援者による映画『バンクーバー朝日』が完成した。バンクーバー国際映画祭(VIFF)で初公開され、12月には日本で公開された。91歳の元朝日野球軍ケイ上西さんは2005年にカナダ野球堂・朝日野球軍遺産展覧会から受け取った白地に赤字『asahi』背番号11の野球服と野球帽子『A』ユニホームを着用して晴れ舞台・開会式に出席した。

「広がる朝日軍の輪」
日加『v市朝日を語る会』が2011年3月7日に東京のカナダ大使館で開かれた。提案者の一人、後藤氏は『第2次大戦の前後に日本へ渡った選手は10人を超えたが、野球軍解散から70年に生存者を探すのは困難である。』と語った。古い写真を許に家族、親戚、関係者が招かれた。この集いの目的は『当時の思い出を語り会う』というものだった。日本移民学会、日本カナダ学会、カナダ大使館の協力が推進力となり43人が参加した。朝日軍選手4人の親族13人、カナダ全土3人の生存者のうち上西功一さんと家族5人が訪日した。一般からはカナダと日系加奈陀人歴史、海外野球交流研究者や戦前日本人町の野球愛好者が集まった。

「ケイ上西功一」
元内野手で17歳で朝日に入団した。その日の嬉しさを今なを語る万年青年である。中村修さんは『サリー中村』強打の内野手の長男である。サリー中村のホームラン王のメダルが披露され、映画俳優で戦時中に軍放送でも活躍していた。中西輝夫さんは光星のごとく現われ優勝に貢献し、1934年に日本へ帰り兵隊となり大陸で戦死した『ケン中西』の甥である。中山信子さんは朝日を支えた投手で日系人総移動に反抗した硬骨漢『ロイ西寺』の娘さんである。古本喜庸さんは『ハツ北川』と共に看板選手だった『テッド古本』の子息である。同氏はテッドYフルモトの小説『バンクーバー朝日軍』東峰書房の著書がある。藤野フジさんは『アビー是永』の妹である。山村孝行さんは『ロイ山村』の甥である。このお2人は90歳過ぎの高齢で伴侶を伴い、孫の付き添い参加であった。この会合の4日後の11日、東北関東大震災・巨大な地震と津波が日本を襲った。

「漫画家・原秀則」
元朝日軍をまんが『バンクーバー朝日』コミック連載が小学館『ビッグコミックス・ペリオール』誌で2012年7月13日号から発行された。伝説の朝日軍野球選手生存者はトロント在住のパット足立さんとケニー沓掛さん、ケイ上西さん(背番号11)の3人である。朝日軍は2003年にカナダ野球堂入りを果たし、2005年にはBC(ブリティッシュ・コロンビア)スポーツ堂入りを認められた。漫画家・原秀則氏により夢がかなった。

「朝日野球軍」
加奈陀日系2世を中心とした少年野球軍は1914年から1941年までバンクーバー市で活躍していた。日系加奈陀移民子息の教育目的のため初代監督の宮崎松次郎氏により結成された。結成5年目の1919年に国際野球試合で優勝、1921年日本国運動協会の招待を受けて和歌山県に遠征した。2代目の笠原監督、ハリー宮崎、トム的場、ジョージ伊藤らの選手が当時の和歌山中学校野球部と対戦した。1926年朝日野球軍は再編成し、ターミナル・リーグで優勝した。1935年には大日本東京野球娯楽部(東京ジャイアンツ)が北米遠征を行いバンクーバー市パウエル街オッペンハイマー公園で朝日野球軍と対戦した。1941年第2次世界大戦が始まり選手達は戦時捕虜収容所や強制疎開地に送られ、朝日野球軍は解散し歴史を閉じた。

「ドキュメンタリー映画・Sleeping Tigers・眠れる虎」
朝日野球軍についての英語本はパット足立によって1992年に出版された。1993年に加奈陀放送協会(CBC)が『ホームに盗塁』と題した番組をラジオ放送した。1994年スポーツジャーナリスト・後藤氏が日本語で制作放映した。2003年にカナダ国立映画庁(NFB)シャリ・オズボーン制作、朝日野球軍・眠れる虎・The Asahi Baseball Storyがテレビで放映された。2004年に朝日野球軍はパット足立氏とフランク森次氏の努力によってカナダ野球堂入りした。大リーグ・トロント・ブルージェーンズによりCanadian Baseball Hall of Fameに栄誉を授けられた。2005年にはB.C.Baseball Hall of Fame入りし、6月28日に表彰式が行われた。元所属選手5人、ミッキー前川、ケン水掛、キヨシ管、ケイ上西、マイク丸野氏が招待された。

「尋ね人・元朝日軍の選手・Unclaimed BC Sports Hall of Fame Asahi medals」
詳細:BC Sports Hall of Fame 604-687-5520 ext.30
jason.beck@bcsportshalloffame.com

[ 文・天野美恵子]